これから開催

企画展

はじめての古美術鑑賞―写経と墨蹟―

国宝 観普賢経(無量義経・観普賢経のうち)(部分) 日本・平安時代 11世紀 根津美術館蔵

重要文化財 華厳経 巻第四十六(二月堂焼経)(部分)日本・奈良時代 8世紀 根津美術館蔵

重要文化財 一山一寧墨蹟 進道語 日本・鎌倉時代 正和5年(1316) 根津美術館蔵

重要文化財 無学祖元墨蹟 附衣偈断簡 日本・鎌倉時代 弘安3年(1280) 根津美術館蔵

写経と墨蹟。一見しただけでは、難しそうと思われるかもしれません。写経は仏教の経典を書写したもの、また禅僧の書である墨蹟の多くは禅の心得が書かれています。確かに、その内容は決して易しくありません。しかし、ともに仏教に基づきながら、ひたすらに書き写された整然とした書と、書き手の個性までもが表れた大胆な筆跡、その対照的な書の魅力に導かれて一点一点を丁寧に見てゆくと、どこかに「推せる」ポイントが見つかるのではないでしょうか。

そもそも写経は、6世紀に仏教が日本へ伝わって以来、今日まで連綿と続く営みです。奈良時代には、経文の書写を専門とした写経生たちが謹厳で端正な書風の経巻を遺しています。また、平安貴族たちが功徳を求めて作らせた壮麗な写経の遺品に見るように、料紙装飾や書風に各時代の美意識もうかがうことができます。

一方、墨蹟は師から修行僧へ、その悟道熟達(ごどうじゅくたつ)を認めた印可状や参禅修行の証などとして与えられました。書き手である高僧の禅の精神の表出として、その人柄が想像できるような個性的な書風がみられます。やがて茶の湯では禅宗の精神性を尊び、床を飾る第一の掛物として墨蹟を位置づけるようになりました。

本展では、この2つのジャンルの作品を、展示室を二分して並べることで、まずはその造形的な違いを紹介します。展示品は根津美術館で所蔵する写経と墨蹟の国宝や重要文化財が中心となります。これらの作品は何が、どのように優れているのでしょうか。書としての見どころや歴史的な重要性などの鑑賞ポイントを、専門用語もわかりやすく解説しながら紹介します。名品によって、写経と墨蹟の鑑賞を始めてみましょう。

Event Information

展覧会名
企画展
はじめての古美術鑑賞―写経と墨蹟―
開催期間
2025年5月31日~7月6日
開館時間
10:00~17:00
(最終入館は16:30まで)
休館日
月曜日
入館料

【オンライン日時指定予約】

一般1,300円、学生1,000円、中学生以下無料

公式サイト
https://www.nezu-muse.or.jp/
お問い合わせ

03-3400-2536

Venue Information

会場
根津美術館
主催
根津美術館