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ハローキティ誕生50周年!「キティとわたし」を紐解く展覧会
2024年11月21日
チームラボ 無限の連続の中の存在/姫路市立美術館
日本をはじめ、海外でも絶大な人気を集めるアート集団「チームラボ」が手がける展覧会『チームラボ 無限の連続の中の存在』が姫路市立美術館にて開催中です。
本展は、美術館の開館40周年、姫路城世界遺産登録30周年の記念展です。
チームラボの展覧会は、姫路市では4年ぶりの開催とのこと。最新のデジタル技術を用いたアートが、前期・後期でそれぞれ新作を含む5点ずつ計10点展示されます。
チームラボは、国際的に活躍するアートコレクティブで、アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者、建築家などさまざまな分野のスペシャリストから構成されています。
彼らが手がける作品は国内ではもちろんのこと、シンガポールやマカオで常設展示が行われるなど、海外でも高い評価を受けています。
日本の伝統的なアート表現を残しながらも、デジタルの力で空間を二次元に落とし込む。伝統と新しさを兼ね備えた彼らが創る空間には、ここでしか得られない鑑賞体験がつまっています。
本展では、チームラボの作品において重要な要素「超主観空間」を強く体感できる5点の作品が、5つのエリアに分かれて展示されています。
たとえば、私たちが“森”を理解しようとするとき、ただ見たり、本を読んだりするだけでは「森とは何なのか」理解できませんよね。おそらく実際に森へ行き、歩きながら、ときに木に触れて理解を深めていくのではないでしょうか。
これがチームラボの作品でも大事にされていることで、本展でも目だけではなく、身体全体を使って認識を深めていくような空間になっています。
チームラボ《反転無分別 – Light in Dark》、《Dissipative Figures – Human, Light in Dark》
本記事では、前期で公開されている一部の作品をご紹介します。
まず、館内に入ってすぐに現れるのがこちら。
チームラボ《生命は生命の力で生きているⅡ》
静止画では伝わりにくいのですが、作品中では少しずつ時が流れており、春夏秋冬の美しい移り変わりが描かれています。
どこか一部分ではなく、作品全体に焦点が当たっているところもポイントの1つ。
チームラボ《生命は生命の力で生きているⅡ》
そして、実は作品には「生」という文字が隠されています。すぐにはわからないのですが、時間をかけて見ていくと、ふとその文字が浮かび上がってくるはず。
季節としては冬が1番見えやすいとのこと。ぜひ時間をかけて、ゆっくり鑑賞してみてください。
チームラボ《Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象》
続いて、目の前に広がるのは色とりどりの光たち。
この光は一見バラバラに見えますが、シンクロナイズド(同調する)する生き物の特性が表現されています。
たとえば、ホタルが複数集まると最初はバラバラと光っているのに、時間が経つにつれてその点滅速度は揃ってくるそうです。私たちも大勢の中で手拍子をすると、不思議とそのリズムが一致してきますよね。
詳しい理由は解明されていませんが、その“生命の不思議”がここに表現されています。
チームラボ《Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象》
実際に光が集まっているところをさわってみると・・・
チームラボ《Autonomous Abstraction, 宇宙から自分の存在まで連続する現象》
その部分だけ光の集合が崩れて、時間が経つにつれてまたくっついて戻ってきます。
私も最初は丸い光にしか見えなかったのですが、解説を読んでじっくり鑑賞していると、人の動きに見えたり、心臓の鼓動のように感じたりと、生命を感じました。
そしてさらに奥に進むと、次はさまざまな花が咲き誇るエリアに。
私の目の前ではヒマワリが大きな花を咲かせているかと思えば、隣ではアサガオが芽生えはじめていました。
チームラボ《増殖する無量の生命の森》
空間ごとに咲き始めるタイミングや花は違いますが、どこも芽が出て、成長して、花を咲かせて、散って、また芽が出て・・・を繰り返しています。
チームラボ《増殖する無量の生命の森》
チームラボ《増殖する無量の生命の森》
循環する花々を鑑賞しながら、増殖時の勢いや散るときの儚さに、ここでもどこか人間の生命にも通ずるものを感じました。
このエリアに足を踏み入れたとき、私は正直「どうして咲く季節が違う花たちが一緒に咲いているんだろう」と違和感を覚えたんです。
でも、本作品を鑑賞する中で、それは日本中心で物事を捉えているから生まれる違和感であると気付かされました。
視野を“世界”に広げてみたら、日本で桜が咲いているころに、もしかしたら他の国ではヒマワリが咲いているかもしれない。それぞれの季節の花が同時に咲いているのはごく当たり前のことなのです。
自分と世界との境界線を取り払い、「ボーダレスとは何か」を考えさせられた瞬間でした。
本展では、ほぼすべての作品にふれられます。実際にさわってみると、壁に和紙が使用されていることにも驚くはず。
それも作品によって少しずつ和紙の素材が違うんです・・・!
隅々までこだわりがあるからこそ、作品によって大きなテーマは一緒だけれど、また異なる世界を楽しめるのかもしれませんね。
コロナ禍でさらに進化を遂げたチームラボの展示は、姫路市では4年ぶりの開催となります。
ただ座って見るのではなく、曲がり角がある館内を歩き回りながら、作品を実際にさわりながら鑑賞できる本展。
「生きるとは何か」「ボーダレスに考えるとは何か」をあらためて鑑賞者に問いかけるメッセージ性と、静止画では決して表現できないデジタルアートの迫力がありました。
前期・後期をあわせて1月まで開催されているので、姫路へのおでかけと一緒に訪れてみてはいかがでしょうか?
前期:2023年7月22日~10月9日
後期:10月21日~2024年1月21日