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2024年11月1日
特別展「北宋書画精華」/根津美術館
重要美術品 李公麟《五馬図巻》中国・北宋時代 11世紀 東京国立博物館蔵
特別展「北宋書画精華」が根津美術館(東京・南青山)で開幕しました。
北宋(ほくそう)を代表する画家・李公麟(りこうりん)の幻の真作「五馬図巻(ごばずかん)」がお目見えし、李公麟の白描画の基準作といえる「孝経図巻(こうきょうずかん)」も特別出品されます。
「五馬図巻」と「孝経図巻」が同時に並ぶのは前代未聞、“きっと伝説になる”展覧会です。
「五馬図巻」(現・東京国立博物館蔵)は西域諸国から北宋に献じられた5頭の名馬を描いた作品で、歴代の中国皇帝が「神品」として高く評価したものです。
画家・李公麟の傑作として知られるも長らく行方不明であり、2018年に80年ぶりに発見されたことで話題になりました。
かつてはモノクロの印刷物として知れ渡っていましたが、意外にも色彩豊かな表現で「白描画の名手」李公麟のイメージを大きく超えた作品です。
宋時代(960〜1279年)は中国におけるルネサンスとも評され、中国書画史におけるひとつの頂点だといわれています。
宋は古代中国の王朝であり、960〜1127年を北宋、1127〜1279年を南宋と称することが特徴です。
人物画が発展した唐時代を経て、北宋時代には花鳥画や水墨山水画、行草書などの書画が中国美術の最高峰として形成されました。
燕文貴《江山楼観図巻(部分)》中国・北宋時代 10 ~ 11世紀 大阪市立美術館蔵
特別展「北宋書画精華」では、国宝や重要文化財、重要美術品などの名品が勢揃いしています。
本展で最大の注目すべき点は、李公麟の「五馬図巻」と「孝経図巻」の二点が邂逅を果たしていることです。
豊かな色彩で描かれた「五馬図巻」と白描画の「孝経図巻」は、どちらも李公麟の傑作でありながら対照的な作品といえます。
重要美術品 李公麟《五馬図巻》中国・北宋時代 11世紀 東京国立博物館蔵
李公麟《孝経図巻》中国・北宋時代 元豊8年(1085)頃 アメリカ・メトロポリタン美術館蔵
北宋時代には数多の山水・花鳥画家が輩出され、後世で「古典」とされる作品が生まれました。
本展ではこれらに加えて、数が限られているために貴重な北宋の仏画や、自由な新しい書様式であった行書・草書など、時代を象徴する作品が集まっています。
展示風景より
(左)《千手千眼観音菩薩像》中国・五代 10世紀 兵庫・白鶴美術館蔵
(右)《薬師如来像》中国・五代 天成4年(929) 兵庫・白鶴美術館蔵
重要文化財《十王経図巻(部分)》中国・五代または北宋時代 辛未2年(911または971)奥書 大阪・和泉市 久保惣記念美術館蔵
黄庭堅《行書王史二氏墓誌銘稿巻(部分)》中国・北宋時代 11世紀 東京国立博物館蔵
平安時代にあたる11世紀半ば頃の日本では、北宋からもたらされた「唐紙」の使用が流行しました。
唐紙は文様が入った紙で、12世紀には和製の唐紙を生産して盛んに使用するようになったといいます。
国宝《古今和歌集序(巻子本)(部分)》日本・平安時代 11 ~ 12世紀 東京・大倉集古館蔵
《巻子本古今集切》日本・平安時代 11 ~ 12世紀 個人蔵(11月19日まで展示)
会期中、徽宗(きそう)の「桃鳩図(とうきゅうず)」が12月1日(金)〜3日(日)の3日間、「猫図(ねこず)」が11月28日(火)〜30日(木)の3日間のみ展示されます。
個人蔵の国宝で、滅多にお目にかかれない名品が観られる機会です。
特別展と連動して、展示室6では「北宋工芸—館蔵品より—」が開催されています。
北宋時代には丹精で美しい陶磁器が数多く生み出され、特徴的なチェック模様のある器も作られました。
中国美術に関連する茶道具を取り揃えた展示にもご注目ください。
展示風景より
《白地石畳唐草文壺(磁州窯系)》中国・北宋時代 11世紀 根津美術館蔵
美術や歴史が好きな人におすすめの展示です。
本展を記念して、ミュージアムショップでは「五馬図巻」の馬をモチーフにしたオリジナルグッズが登場しています。
また、本展の会期中には庭園の紅葉が見頃を迎える見込みです。
北宋の中国美術とともに、根津美術館で過ごすひとときをお楽しみください。
(手前)「五馬図」ノート(A5サイズ / レッド・ブルー)450円(税込)
庭園の紅葉のようす