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2024年11月1日
ポール・ケアホルム展 時代を超えたミニマリズム/パナソニック汐留美術館
パナソニック汐留美術館にて、20世紀のデンマークを代表する家具デザイナーのポール・ケアホルムを紹介する展覧会が、9月16日(月・祝)まで開催されています。
ポール・ケアホルムは、1950年代から70年代にかけて活動したデンマークの家具デザイナーです。
彼は、それまで家具製作にあまり使われなかった、石や金属などの硬質な素材を家具デザインに用いて、革新的な作品を生み出しました。
シンプルでありながら洗練されたデザインと機能性を兼ね備えたケアホルムの作品は、特に建築やデザインの分野で高く評価されてきました。
本展は、椅子研究家の織田憲嗣氏(東海大学名誉教授)が、長年にわたり収集、研究してきた「織田コレクション」を中心に、ケアホルムの代表的な作品を集めた、日本の美術館では初めての本格的な展覧会です。
会場構成は、パリを拠点に世界的に活躍する建築家で、織田氏の教え子でもある、田根剛氏(ATTA)が担当。
没入感のある空間で、家具の構造や細かい部分までじっくり鑑賞することができます。
また展示を最後まで見た後、もう一度作品を振り返りながら出口に向かうことで、ケアホルムに対する理解がよりいっそう深まるように工夫されています。
第1章では、ケアホルムの経歴とデザインや素材に対するこだわりを、初期の代表的な作品と写真などの関連資料で紹介しています。
ケアホルムの家具には、彼のイニシャル「PK」と、家具の種類ごとに割り当てられた2けたの数字がつけられています。
コペンハーゲンの美術工芸学校の卒業制作である《PK 25》は、スチールと強度の高いロープを組み合わせた、家具デザイナーとして最初の作品。
デンマークの家具メーカー入社後にデザインした《PK 0》は、技術的な制約のため当時は製品化されませんでした。
1997年に600脚限定で販売され、今回そのうちのひとつが展示されています。
本展のメインとなる第2章では、ケアホルムがデザインを手がけた、初期から晩年までの代表的な作品が、年代順に紹介されています。
展示室はモノクロームで統一され、来場者は照明を絞った空間に、浮かび上がるように並んだ家具の間を移動しながら、ケアホルムの世界を体感できます。
ごくわずか製作されただけで製造中止となった幻の名作《PK 12》、ケアホルムの家具のうちもっとも普及したラウンジチェア《PK 22》などの名作が、ドラマチックな空間に展開しています。
ケアホルムは部屋の大きさに合わせて調整できる家具をつくりたいと考えていました。
単体でもつなげて使うこともできる椅子《PK 26》、必要な数だけ使えてコンパクトに収納できるサイドテーブル《PK 71》など、実用的に優れた家具も多く展示されています。
360度から鑑賞できるケアホルムの家具は、見る角度によって異なる表情を見せてくれます。
ぜひこの機会に細かい部分までチェックしてみてください。
素材の特性を最大限に活かし、機能性と美しさを兼ね備えたケアホルムデザインの家具は、時代を超えてさまざまな場所で愛され続けています。
最終章では、織田氏が実際に愛用するケアホルムの家具のほか、写真や図面などで、ケアホルムの家具がどのように現代の生活空間や建築で使用されているのかを紹介しています。
《PK 80》は、美しさと耐久性を兼ね備えたデイベッド。
東京・六本木にある国立新美術館にソファとして置かれているので、次に同美術館を訪れた際には、その座り心地を体感してみてください。
フランスを代表する20世紀の画家、ジョルジュ・ルオーの作品が展示されているルオー・ギャラリーでは、今回特別に《PK 22》などのケアホルムデザインの椅子に実際に座って、ルオーの作品を鑑賞することができます。
名作椅子に座って名画を見るという、新しい体験を楽しんでみましょう。
本展担当の川北裕子学芸員は、展示について「日常生活に戻ったときに新しい家具の見え方ができる、あるいは生活そのものが違って見えるようなきっかけになれば」と語っていました。
ケアホルムの作品は、身近な家具が、私たちの生活空間を彩り、豊かにしてくれる存在であることを改めて実感させてくれます。
この機会に、ケアホルムのデザインを直接見て体験して、日々の生活を快適で楽しいものにするためのヒントを探してみてはどうでしょうか。