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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
福田どうぶつえん/福田美術館
京都・嵐山は外国人観光客で溢れかえっていますが、涼しい美術館は意外と空いていて穴場です。
子どもも一緒に楽しめる工夫を凝らした展覧会が、福田美術館と嵯峨嵐山文華館で始まりました。
8月1日から31日までは、小学生以下は入館無料です(ただし保護者の同伴が必須です)。
まずは、動物園へご案内しましょう。
大橋万峰《猛虎図屏風》紙本着色 屏風 20世紀 福田美術館 通期
展示室へ入ろうとドアが開いた瞬間に飛び込んできたすごい迫力の虎、とら、トラ。
福田美術館では、自分のスマホで音声ガイドを無料で聴くことができます。
キャプションも親切で、描かれた動物について写真入りで詳しくパネル解説もあります。
大橋万峰(おおはし まんぽう)、翠石(すいせき)兄弟は、トラの絵を得意とし、海外の万国博覧会でも受賞しています。
弟の大橋翠石のトラです。
左から:大橋翠石《猛虎之図》《乳虎渡渓図》絹本着色 軸装 20世紀 福田美術館 前期
昼行性のトラの瞳は丸く、しっかり観察して瞳の中まで描いています。
大橋翠石《猛虎之図》部分 絹本着色 軸装 20世紀 福田美術館 前期
実際にトラを間近で見たことがなかった江戸時代の絵師は、トラの毛皮や猫から想像して描いたので、夜行性のネコの縦に長い瞳をしています。
与謝蕪村《猛虎飛瀑図》絹本着色 軸装 1767年 福田美術館 前期
農作業を終えて農耕馬から鞍を下ろそうとしているところでしょうか?
馬と飼い主の労わり合うような関係性も感じられます。
原田西湖《夏の夕》絹本着色 屏風 20世紀 福田美術館 前期
鹿は七福神のひとり、道教の仙人・寿老人に仕えて長寿の象徴とされてきました。
岸駒《福禄寿図》絹本着色 軸装 1822年 福田美術館 前期
作品名《福禄寿図》は、幸福の「福」、俸禄の「禄」、長寿の「寿」を表す吉祥画です。
ハイカラなペットたちのいる春のふれあい動物園がやって来ました。
山内信一《春光》絹本着色 軸装 1931年 福田美術館 通期
京都生まれの山内信一は、緻密な描写を得意とし文展や帝展で入選しています。
小さな生き物も見に行きましょう。
「福が還る」「無事に帰る」などカエルも縁起の良いモチーフです。
松本奉時《群蝦蟇図》紙本墨画淡彩 軸装 18世紀 福田美術館 通期
松本奉時(まつもと ほうじ)は、大阪出身の表具師です。蛙の絵を得意とし、好きで集めていたガマの絵を模写した作品です。
石崎光瑤《裏園秋興之図》部分 絹本着色 軸装 1913年 福田美術館 通期
秋には京都へも石崎光瑤(いしざき こうよう)の展覧会が巡回します。
庭に現れたヘビを見つけて写生したのでしょう。細部まで観察する画家の目です。
猿描きの名手による「毛描き」にも注目!
森狙仙《親子猿図》絹本着色 軸装 18-19世紀 福田美術館 前期
ウサギは多産のため子孫繁栄の象徴とされてきました。
左から:速水御舟《春眠》絹本着色 軸装 1926年 福田美術館 前期/ 山口華楊《待春》紙本着色 額装 20世紀 福
動物画を得意とした華楊はアナウサギを描き、御舟は翌年の卯年ために赤い目の日本古来の白うさぎを描きました。
左から:速水御舟《春眠》絹本着色 軸装 1921年/ 川合玉堂《紅梅猫児》絹本着色 軸装 1894年頃/ 福田美術館 通期
春の温かな日に気持ちよさそうにすやすやとお昼寝する御舟の猫は、福田どうぶつえん一番の人気猫です。
エビやカニやイモリなど水辺の生き物やモフモフころころの応挙狗、イマイチかわいくない若冲の仔犬にも会えるのでお楽しみに。
それでは、花鳥園にも行ってみましょう。
福田美術館を出て、観光客に大人気のアラビカコーヒーの角を曲がって左手に大堰川を見ながら、右手に嵐山吉兆の前を過ぎ、突き当たりのレストランの前を右に曲がれば、嵯峨嵐山文華館はすぐです。
「花鳥園」は、自然の様な屋内に放たれた鳥と自由に触れる場所です。そのような「花鳥園」と「美術館」を融合した「嵯峨嵐山かちょうえん」で「花鳥風月」を愛でていきましょう。
1階は水辺の鳥たちです。
冬鳥も夏鳥も描かれた現実にはない屏風の世界
今尾景年《花⿃図屏⾵》絹本着⾊ 屏⾵ 19−20世紀 福⽥美術館 前期
左から:速⽔御⾈《⾶鴨図》絹本着⾊ 軸装 1934年 福⽥美術館 通期/円⼭応挙《⻩蜀葵鵞⿃⼩禽図》絹本着⾊ 軸装 1773年 福⽥美術館 通期/円⼭応挙《雪中南天鴨図》絹本着⾊ 軸装 1793年 福⽥美術館 前期
御舟は青物行商が持ってきた鴨があまりに見事で、飛んでいる姿の鴨として色も精緻な筆も美しい絵にしました。
キャプションには、描かれている鳥の写真、生態なども解説され、QRコードからは鳥の鳴き声も聴く事が出来ます。描かれた美しい鳥たちには、思いがけない鳴き声の鳥もいます。
2階へあがり靴を脱いでお座敷へ入れば正面に
望⽉⽟渓《鳳凰図屏⾵》絹本着⾊ 屏⾵ 1928年 福⽥美術館 通期
鳳と凰が描かれた豪華な金屏風をしばし眺めていましょう。
江戸で「花鳥茶屋」が流行り出した頃に描かれました。
⼭本梅逸《花⿃図》絹本着⾊ 軸装 1855年 福⽥美術館 前期
春夏秋冬の美しい花々と、日頃は目にしない外来種や渡り鳥の四幅対
今尾景年《牡丹唐⼭雀図・巻丹錦鶏図・胡枝花渡雁図・寒菊⾶鴨図》絹本着⾊ 軸装 1870年 福⽥美術館 前期
「高精細画人」とサブタイトルの巡回展が開かれた池上秀畝の作品です。
池上秀畝《⿊光司》絹本着⾊ 軸装20世紀 福⽥美術館 通期
作品名「⿊光司」は、濃い色で咲いている花の事で春に咲く牡丹の一種だそうです。
毎週火曜日は「喋っていいDAY!」お子さんともワイワイお話しながら動物園や花鳥園を見て回ってください。
楽しいイベントも企画されていますのでHPでチェックしてください。
どちらの美術館のカフェもとても素敵ですが、嵯峨嵐山文華館の2階縁側で川往く船を眺めながらまったりとゆっくり時間を過ごすのもおすすめです。