塩田千春の作品から他者との「つながり」を考える。圧巻のインスタレーションに注目
2024年10月3日
~近代日本創生の源流を学ぶ~ 若き渋沢栄一 欧州を巡る/ガスミュージアム
ガスミュージアムにて、「~近代日本創生の源流を学ぶ~ 若き渋沢栄一 欧州を巡る」が開催中です。
今年7月より新しく1万円札の顔となった渋沢栄一(1840-1931)。
「近代日本の父」と呼ばれる渋沢は、日本初の銀行を設立したり、国内のインフラを整えたり、日本の産業を大きく発展させたり・・・。とにかくすごい人物です。
とにかく何でもできちゃうマルチプレイヤー!
そしてこの展覧会が開催されるガスミュージアムを運営する東京ガスも、なんと渋沢が創立者なんです!
こうした渋沢の幅広い仕事は、若い日にヨーロッパへ訪れた経験が元になっているといいます。
将軍名代の徳川昭武公率いるパリ万博使節団。左上のカメラ目線の彼が、渋沢栄一です
本展では、若き日の渋沢栄一に焦点を当て、使節団一員であった杉浦譲と渋沢栄一の欧州見聞記「航西日記」や、上司の栗本鋤雲(じょうん)による「暁窓追録(ぎょうそうついろく)」などの資料を紹介。
渋沢がヨーロッパで学んだ知識や経験が、その後日本でどのように活かされたのかも知ることができます。
渋沢がガス事業と出会ったのも、同じヨーロッパ滞在の時でした。
フランス・パリのコンコルド広場を明るく輝かせていたガス燈に、渋沢は感動したのだとか。
設備見学のために、地下道にも入ったそうです。その時のことを、「人体の筋骨がつながっているようである」と日記に残しています。
常設展示室では、渋沢とガス事業の繋がりをより詳しく解説していますよ。
ヨーロッパでさまざまな経験をした渋沢ですが、福祉や教育についても尽力しています。
パリ市内の病院を訪れた際、渋沢は清潔な環境と充実した設備にとても驚きます。そして何より、この病院が寄付によって建てられたことを知り、大きな影響を受けました。
東京市養育院も渋沢栄一が設立しました
帰国後は、日本赤十字社や聖路加病院の運営など、福祉事業に生涯関わりました。
若き日の渋沢栄一に焦点を当てた本展。
ヨーロッパでさまざまな先端技術、仕組み、食文化まで吸収し、これを日本流に活かした渋沢栄一の人間力に驚きました。
ガスミュージアム恒例の、展覧会とのコラボお料理教室は、残念ながらすでに満席とのこと・・・。いつもすぐ予約が埋まってしまうそうで、味が気になるところですね!
改めて日本の近代の歩みを気にすることもなかなか無いと思います。
この機会に是非、渋沢栄一について知ってみてはいかがでしょうか?