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2025年3月26日
企画展「畠中光享 日本画展 清浄光明を描く」/相国寺承天閣美術館
相国寺承天閣美術館にて、企画展「畠中光享 日本画展 清浄光明を描く」が、で6月22日まで開催中です。
本展では、日本画家・畠中光享(はたなかこうきょう)の初期作をはじめ、代表作や新作など約100点を展示(*)。
日本画のジャンルで、独自の世界観を持つ畠中光享の集大成となる展覧会です。
*作品は前期と後期で入れ替え予定。
細やかな線描と鮮やかな色彩で仏教の世界を描く、日本画家・畠中光享。
これまで既存の団体展には所属せずに、実験的なグループ展を自ら立ち上げ、作品を発表してきました。
日本画家・畠中光享
1947年に奈良で生まれ、1970年に大谷大学文学部を卒業、そしてインドへ。
帰国後、京都市立芸術大学日本画専攻科へ進学し、今日まで絵を描いてきました。
1977年に若手作家の登竜門として歴史のあるシェル美術賞1等賞(2022年よりIdemitsu Art Awardに改称)を受賞。
ほかにも2004年には第22回京都府文化賞功労賞を、2014年には第27回京都美術文化賞を受賞するなどしています。
現在は京都にアトリエを構え、78歳になった今も精力的に創作活動を続けています。
「バナナ供養(ケーラパーリ)」 2023年 通期
また、畠中はインド美術研究者の肩書きも持っています。
インド美術とは、仏教やヒンドゥー教、そしてイスラム教のもとで誕生した美術のことです。
これまで100回以上インドへ出向き、美術館や博物館、遺跡を巡り、インド美術に対する知識と理解を深めてきました。
インドの細密画(細部まで緻密に描いた絵)や染織品・彫刻の研究と収集も行なっています。
相国寺承天閣美術館で開催される同展は、インドを何度も訪れた畠中が、仏教の本質に迫って描いた作品が並びます。
「南無達磨」 パネル3枚 畠中光享蔵 2024年 通期
本展では、畠中光享の初期作から代表作、新作までを紹介しています。
写真手前の作品は京都駅ができたときに、ワコールの8mサイズのアート広告にも使われた作品です。
「散華」 四曲屏風 京都国立近代美術館蔵 1997年 ※前期のみ
また、一般には公開されることのない京都の東本願寺に奉納した襖絵「成道聖地遥拝」などがあります。
(左)「仏の花」 パネル 畠中光享蔵 2025年/(右)「仏跡の花」 パネル 畠中光享蔵 2025年 ※両作品は前期のみ展示
注目は、花を持った女性を描いた新作「仏の花」と「仏跡の花」。向い合うように展示されています。
「散る花・常の葉 御所近衛家跡の桜」 二曲屏風 畠中光享蔵 2020年 ※前期のみ展示
「散る花・常の葉 御所近衛家跡の桜」は、散りゆく桜と、地面から芽吹き始めた緑が描かれ、春にぴったりな一枚。
また、普段からノートを持ち歩いているという畠中氏の写生作品も展示されています。
筆の動きが伝わってくるような、細やかな線描を間近で見ることができます。
写生作品の展示も
前期(〜4月20日まで)と後期(4月23日〜6月22日)で、全100点を展示する本展。
前後期で足を運び、畠中の世界観をより深く探ってみてはいかがでしょうか。
第二展示室の展示風景
細やかな線描とともに、自然な発色を持つ黄色や青、赤など色鮮やかさが特徴の畠中光享。
画材について 「500〜1000年は同世代と思っているので、変色しないことも大切」と言います。
そのため、絵の具は土や石などを原料にした天然由来のものを使用しているのだとか。
「禅定達磨」 パネル 畠中光享蔵 2024年 通期
赤はアフガニスタン、緑はアフリカなど世界中から材料を集め、時には自ら石を削って絵の具を作ることもあると聞いて驚きです。
「いい絵の具を慈しんで使うのが、一番」という言葉に、畠中のこだわりを感じました。
回廊の展示風景
今回の展示への思いについて、畠中は以下のように答えました。
「観る人が“私はなんだろう”“どうして生きていけばいいだろう”ということを考えるヒントになれば嬉しいです。」
また、自身の絵に対する想いについても、「絵は美しくないとだめだと思っている。美しい形、美しい線、美しい色を大事にしたいです。」と語りました。
相国寺承天閣美術館は、入り口で靴を脱いで館内を巡る“土足厳禁”スタイルです。
第一展示室から第二展示室を繋ぐ回廊にも作品が展示されており、窓からは美しい庭の眺めも楽しめます。
通常、美術館は照明設備が整った空間で作品を展示する場合が多いですが、自然光が入る気持ちのいい空間で作品に触れられることが、とても新鮮でした。
作品はもちろん、会場内の雰囲気もごゆっくりとお楽しみください。
会期途中で作品が入れ替わります。取材時は前期だったので、後期もぜひ足を運びたい!