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2025年3月26日
松山智一展 FIRST LAST/麻布台ヒルズ ギャラリー
現在、東京の新しいアートスポット麻布台ヒルズギャラリーで「松山智一展 FIRST LAST」が開催中です。
ニューヨークを拠点に活躍する松山智一の東京初個展。
これまで海外でしか観ることができなかった日本初公開作品や新シリーズ「First Last」など、40点以上の作品が展示されています。
開催期間は2025年3月8日(土)から5月11日(日)までです。
松山智一は岐阜県出身の現代美術家で、現在はニューヨーク・ブルックリンを拠点に活動しています。
絵画を中心に、彫刻やインスタレーションなど、異文化の要素を取り入れた独自の作品を生み出しています。
松山氏がアメリカに移住したのは小学生の頃。父親が突然「僕は牧師になる」と宣言し、その夏、家族全員でアメリカへ渡ることになったといいます。
異文化に触れ、教会と深く関わる環境で育った経験は、松山氏の作品に大きな影響を与えているのでしょう。
近年では、ヴェネツィアや上海、東京など世界各地で展示を行い、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけています。
会場は、5つの展示室に分かれています。
《We Met Thru Match.com》2016 ナンシー・シャトリット氏蔵
松山智一の代表作《We Met Thru Match.com》は、横幅6メートルに及ぶ大作。
背景には、彼が敬愛するフランスの画家アンリ・ルソーの影響が見られる一方、描き方には日本の伝統絵画である狩野派や土佐派の技法が取り入れられています。
タイトルにある「Match.com」は、世界最大級のマッチングサイトの名前。
絵の中には、手紙を書く女性と、それを受け取る男性が描かれています。デジタル時代における出会いが、手紙というアナログな手段でつながる構図は、人と人との関係のあり方を問いかけているようです。
松山氏は、この作品を通じて、文化や時代、場所の垣根を超え、「アーティストとしてニューヨークで戦っていく」という自身の決意を示したと語っています。
《Call The Days Heaven》 2024
2つ目の展示室は、絵画だけでなく、壁の色や柄、床に置かれた数々のオブジェにも注目です。展示室全体が1つのインスタレーションになっています。
《Counterfeit Artist》2024(写真左)《20 Dollar Cold Cold Heart》2019 (写真右)
松山氏は「この展示室にあるものは、自分が描かないというテーマで、すべて海外で見たものを引用している」と語ります。
描かれているのは、リアルなのかフィクションなのか、不思議な感覚に包まれます。
また、床に並べられた作品は、松山氏のスタジオにあるものを3Dプリンターで再現して制作されたものです。
松山氏が筆を握っている腕のオブジェにもぜひ注目してみてください。
展示風景
《Broken Kaleidoscope》2025
展示室全体がひとつの作品になっている《Broken Kaleidoscope》。日本語に訳すと「壊れた万華鏡」を意味します。
この空間では、陶器の人形が点対称に配置されていて、まるでおとぎの国に迷い込んだかのよう。
上下左右の感覚を失う不思議な体験が味わえます。
展示風景
《Dancer》2022 個人蔵
鏡面仕上げのステンレスに周囲の景色が映り込み、作品そのものが環境と一体化する《Dancer》。
近くにいる人びとや展示室内の作品が映し出され、鑑賞する角度によって見える風景が変化していきます。この作品の前に立つと、自分自身が作品の一部になったような感覚になります。
《Keep Fishin’ For Twilight》2017 K.T.氏蔵
一見、色と形が複雑に重なり合う抽象画に見えますが、よく観ると無数の鳥のシルエットが描かれています。松山氏によると、この作品は日本の「千羽鶴」から着想を得たものだといいます。
みんなで想いを込めて何かを作る文化は、西洋にはあまり見られません。この作品では、西洋の抽象画の技法を取り入れつつ、日本特有の祈りや願いを込める文化を重ね合わせています。
《Passage Immortalitas》2024
一見、ルネサンス期の古典的な構図を思わせる《Passage Immortalitas》ですが、よく観るとポテトチップスの空き袋やハローキティ、ピザなど、現代的なモチーフが描かれています。
松山氏は「ルネサンス絵画はすべて記号でできている」と語り、鑑賞者に「作品を読んでほしい」と伝えています。
各モチーフに込められた意味を考えながら作品を鑑賞すると、より深く作品を楽しむことができるでしょう。
《We The People》2025
アメリカのスーパーマーケットを模した空間に多様な人物が描かれ、左側にはシリアル、右側には薬が並ぶ《We The People》。
中央には哲学者ソクラテスの姿がトレースされ、その手には着色料を使ったシリアルが入った器が描かれています。砂糖を取るのも、薬を取るのも、個人の自由。アメリカ社会の自由とリアリティが描かれています。
さらに、注目してほしいのが、一つひとつの緻密さ。薬のパッケージには、実在する製品名が細かく書き込まれています。なんとこれらは30人のスタッフが8か月かけて制作したんだとか!
ぜひ近くから作品の細部をじっくり鑑賞してみてください。
展覧会を観た後は、ショップに立ち寄った後に、麻布台ヒルズの中央広場へ。松山智一の屋外作品3点が期間限定で展示されています。
なお、屋外作品の展示期間は2025年4月末までを予定しているそうです。展示会の開催期間とは異なるのでご注意ください。
《Double Jeopardy!》2020(写真左側)《Wheels of Fortune》2020(写真右上)《All is Well Blue》2024(写真右下)
「松山智一展 FIRST LAST」は、作品一つひとつはもちろん、空間全体を楽しむことができました。
特に《Dancer》では、自分自身が作品と一体化したような初めての感覚を味わい、アートとの新しい関わり方を体験できました。
ぜひ、麻布台ヒルズ ギャラリー「松山智一展 FIRST LAST」へ足を運んでみてください。
本展のチケットを「5組10名様」にプレゼント!
〆切は2025年4月20日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。