
ハプスブルク家/10分でわかるアート
2024年12月18日
『バラ図譜』刊行200年 「宮廷画家 ルドゥーテとバラの物語」/千代田区立日比谷図書文化館
日比谷図書文化館にて、「バラの画家」ルドゥーテの代表作『バラ図譜』や肉筆画を紹介する展覧会が開催中です。
ボタニカル・アートを代表する画家、ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ。
幼いころから森や植物といった自然に興味を持っていたルドゥーテは、13歳で父と同じ職業画家を目指し修行の旅に出ます。
第2部は魅力的なワイルド・ローズ(野生種)の挿絵を中心にスタート。
もしかしたら幼い頃のルドゥーテは、こうした野性の力強いバラに魅せられたのかもしれませんね。
修行中、パリで出会った植物学者レリティエとの出会いをきっかけに、ボタニカル・アートに本格的に取り組むようになったルドゥーテ。
その才能を開花させ、ルイ16世王妃マリー・アントワネットの博物蒐集室付画家に任命されますが、程なくして王妃がフランス革命によって処刑されてしまいます。
ロサ・ケンティフォリア
ピエール=ジョセフ・ルドゥーテ『バラ図譜』(1817-24) コノサーズ・コレクション東京蔵
しかし、その後は革命を起こしたナポレオンの妃、ジョゼフィーヌがパトロンとなり、世界中から集めたバラをルドゥーテに描かせました。
そうして誕生したのが、ルドゥーテの代表作である『バラ図譜』(1817-1824)です。
『バラ図譜』には、手間がかかる点刻彫版法という銅版画の技法が使われています。
できあがった版画ひとつひとつに手彩色を施しており、バラの繊細な色彩をじっくり楽しむことができます。
また、『バラ図譜』には169種のバラが描かれていますが、そのうち79種がワイルド・ローズ(野生種)です。
展示では、エネルギーあふれるジョゼフィーヌをイメージして、華やかなワイルド・ローズが多数展示されていますよ。
『バラ図譜』を完成させたルドゥーテは、王立植物園の専任植物画家に任命されるなど、ますます名声を得ました。
特に上流の貴婦人からの人気は絶大で、「パリ中すべての女性がルドゥーテの生徒か信奉者だ」と言われたほどだったとか!
本展ではフランス貴族のサロンの壁を思わせるような展示方法にも注目。
当時の貴族たちはたくさんの美術品を集め、それらを部屋の壁一面を埋めつくすように飾ったそうです。
壁に所狭しと並ぶバラの図で、優雅な気分になること間違いなしです♪
数少ないルドゥーテの肉筆画も2点展示されています。
キャンバスは紙ではなく、「ヴェラム」と呼ばれる動物の皮を加工したものです。
水彩絵具がとても美しく発色するのですが、描き直しが難しいのでかなりの画力が求められる素材なのだとか。
肉筆画と銅版画をぜひ見比べてみてくださいね。
本展開催中は、館内ライブラリーショップ&カフェ日比谷にて現代のカフェラテが販売されています。
カフェでも #ルドゥーテ❣️#日比谷図書文化館 で開催中の特別展「宮廷画家 ルドゥーテとバラの物語」の開催期間に1階のライブラリーショップ&カフェ日比谷では #バラ の プリントラテアート を2種類販売します。この期間しか味わえない #ラテアート をぜひお楽しみください😊#カフェラテ #プロント pic.twitter.com/LVroGsO1pq
— 日比谷図書文化館 (@HibiyaConcierge) April 18, 2025
ルドゥーテの『バラ図譜』2点をプリントラテアートで再現。
テイクアウトもできるので、日比谷図書文化館が位置する日比谷公園、皇居、東京ガーデンテラス紀尾井町といった、千代田区のバラのスポットを散策するのもおすすめです。