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劉建華 中空を注ぐ

「劉建華 中空を注ぐ」展示風景 撮影:小山田邦哉

《遺棄》 撮影:小山田邦哉

《儚い日常》 撮影:小山田邦哉

上海を拠点に活動している劉建華(リュウ・ジェンホァ)の個展を日本で初めて開催します。

本展の「中空を注ぐ」に出展する作品は、劉が制作初期の頃から用いている「磁器」で制作されています。劉は彫刻を大学で学ぶ前に、磁器工房で職人となりました。劉は、日用品としての「磁器」の用途や形を解体し、中国における経済や社会の変化、それに伴う問題を作品のテーマとしています。劉は、中国のアーティストの中で磁器を素材として現代美術の中に持ち込み、実践した先駆者でもあります。劉の原点でもある儚い「磁器」を通して、空虚さに満ちた現代を語っていきます。

本展の中核をなす作品として、《遺棄》(2001-2015年)を展示します。展示室の床には、テレビや靴、ペットボトル、タイヤなどの磁器で作られたさまざまな日用品が打ち棄てられています。日用品は、劉や家族、友人が使用したものから型を取り制作されています。この作品は、劉が磁器という硬くて脆い素材をはじめて使用し、作⾵の転換点となりました。磁器の脆さが日常生活の儚さを示し、現代社会の廃墟のようにもみえる作品です。

2022年に上海復星芸術センター(Fosun Foundation Shanghai)で展示された最新作《塔器》を、日本で初めて展示します。《塔器》は、白い塔に取り付けられた棚に器が並べられています。劉は、「塔」が古代から仏教文化において舎利を納めた精神の象徴であることや、中が空洞という「器」のかたちに注視し、この作品を制作しました。伝統的なかたちや用途から解放された磁器と向き合うことになり、この場の意味が空虚になるようでもあります。

メインとなる展示室では、床⼀面を埋め尽くす《遺棄》の中に《塔器》が展示されることで、虚と実の間を⾏き交うというそれぞれの作品のコンセプトが深化させられます。

Event Information

展覧会名
劉建華 中空を注ぐ
開催期間
2023年6月24日~11月19日 終了しました
開館時間
09:00~17:00
(入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日 (祝日の場合はその翌日)

※その他の休館日、臨時開館日などの情報は、十和田市現代美術館webサイトにてご確認ください。
入館料

一般1,800円(常設展含む)、高校生以下無料

公式サイト
https://towadaartcenter.com/exhibitions/liu-jianhua/
お問い合わせ

0176-20-1127

メールでのお問い合わせはこちら

Venue Information

会場
十和田市現代美術館
主催
十和田市現代美術館