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日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション

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会田誠《紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず):(戦争画RETURNS)》1996年
零戦CG制作:松橋睦生 撮影:宮島径
Ⓒ AIDA Makoto Courtesy of Mizuma Art Gallery

奈良美智《Untitled》1999年
© NARA Yoshitomo, courtesy of Yoshitomo Nara Foundation

高橋龍太郎コレクションは、現在まで3000点を超え、質・量ともに日本の現代美術の最も重要な蓄積として知られています。本展は、1946年生まれのひとりのコレクターの目が捉えた現代日本の姿を、時代に対する批評精神あふれる作家たちの代表作とともに辿ります。

本展が手がかりとするのは、戦後世代のひとつの顔としての高橋龍太郎氏の視点です。1946年に生まれ、団塊世代の先駆けとして育った彼は、全共闘運動に参加し、文化と政治が交差する東京の60年代の空気を色濃く吸い込んだのち、精神科医としてデイケアをはじめとする地域医療の推進に尽力します。その活動が軌道に乗った90年代半ばより、彼は、日本の現代美術のコレクションを開始し、現在に至るまで、3000点を超える作品を収集してきました。高橋氏は、その動向を内側から観察し、その重要な部分を、受け手として、表現者とは異なるかたちで体現してきた存在といえるでしょう。

本展では、高橋龍太郎コレクションの代名詞ともいえる、1990年代から2000年代にかけての日本の自画像のような作品群だけでなく、東日本大震災以降に生まれた新たなコレクションの流れを、時代の感覚の変化を映し出したものとしても紹介します。

高橋龍太郎コレクションの形成は、1995年に開館した東京都現代美術館の活動期と重なっています。東京という都市を拠点に形成されたこの二つのコレクションは、互いに補完関係にあるといえるでしょう。一方それは、バブル崩壊後の日本の、いわゆる「失われた30年」とも重なっています。停滞する日本社会に抗うように生み出されたこれらの作品を、高橋氏は「若いアーティストたちの叫び、生きた証」と呼びます。本展は、東京都現代美術館がこれまで体現してきた美術史の流れにひとつの「私観」を導入しつつ、批評精神にあふれる日本の現代美術の重要作品を総覧する、貴重な機会となるはずです。

【出品予定作家】
会田誠、加藤泉、草間彌生、鈴木ヒラク、奈良美智、村上隆 ほか

Event Information

展覧会名
日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション
開催期間
2024年8月3日~11月10日
開館時間
10:00~18:00
(展示室入場は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日 (8月12日、9月16日、9月23日、10月14日、11月4日は開館)、8月13日、9月17日、9月24日、10月15日、11月5日
入館料

未定

公式サイト
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/TRC/
お問い合わせ

050-5541-8600(ハローダイヤル)

Venue Information

会場
東京都現代美術館 企画展示室1F/B2F
主催
公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都現代美術館