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内藤礼 生まれておいで 生きておいで

内藤礼《死者のための枕》2023年
シルクオーガンジー、糸 撮影:髙橋健治

「内藤礼:breath」2023年、ミュンヘン州立版画素描館
《color beginning》2023年 紙にアクリル絵具 撮影:畠山直哉

「内藤礼:breath」2023年、ミュンヘン州立版画素描館
《color beginning》2023年 紙にアクリル絵具 撮影:畠山直哉

「内藤礼:すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」
2022年、神奈川県立近代美術館 葉山
《母型》2022[2009]年 水、ガラス瓶 撮影:畠山直哉

内藤礼《このことを》2001 年、家プロジェクト 「きんざ」ベネッセアートサイト直島・香川
撮影:畠山直哉

太陽が形づくる光と影、地が生成する水や石、大気が織りなす風や雨。美術家・内藤礼は、私たちの傍らにある自然の諸要素と日常のささやかな事物を受け止めることで、私たちが日々見過ごしがちな世界の片隅に宿る情景、知覚しがたい密やかな現象を見つめ、「根源的な生の光景」を出現させてきました。精緻に構想されるその作品の世界は、その場を訪れる人をそれぞれの沈潜にいざないます。

本展は、150年の歴史を持つ東京国立博物館の収蔵品、その建築空間と内藤との出会いから始まりました。1万数千年という時を超え、内藤は縄文時代の土製品に自らの創造と重なる人間のこころ
を見出しました。それは、自然・命への畏れと祈りから生まれたものであり、作家はそこに「生の内と外を貫く慈悲」を感じたといいます。生の求めに迫られてつくりだされた一つ一つの土製品は、人間本来の姿を私たちに伝えるようです。会期中、自然光に照らし出される展示室では、かつて太陽とともにあった生と死を、人と動植物、人と自然のあわいに起こる親密な協和を、そっと浮かび上がらせます。

色彩に生を、風景に物語を、光に祈りを見出す内藤の作品は、縷々として尽きることなく私たちの世界を満たしてきた、遥か遠い時代から続く創造の営みを想起させます。そこには、人間が繰り返してきた「つくる」ということ、今につながる「生きる」ということへの希求が垣間見られます。

時空を超えた交感がなされる会場は、空間よりも広く、時間よりも深く、目には見えない存在、耳では聞こえない声の確かさを感じ取る契機となることでしょう。本展の体験を通して、原始この地上で生きた人々と、現代を生きる私たちに通ずる精神世界、創造の力を感じていただけたら幸いです。

※混雑時は入場をお待ちいただく可能性がございます。
※荒天の場合、一部会場が閉場となる場合があります。
※会期中の展示替えはございません。
※詳細は、東京国立博物館公式ウェブサイトでご確認ください。

Event Information

展覧会名
内藤礼 生まれておいで 生きておいで
開催期間
2024年6月25日~9月23日 終了しました
開館時間
09:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日 (ただし、7月15日、8月12日、9月16日・23日は開館)、7月16日、8月13日、9月17日
入館料

一般1,500円(1,400円)、大学生1,000円(800円)
※本展チケットで総合文化展もご覧いただけます。
※( )内は前売料金
※前売券は4月11日(木)~6月24日(月)まで、オンラインチケット等で販売。詳細は、確定し次第、東京国立博物館公式ウェブサイト等でお知らせします。
※高校生以下、障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に学生証、障がい者手帳等をご提示ください。
※東京国立博物館キャンパスメンバーズ会員の学生の方は、当日券を500円(500円割引)でお求めいただけます。正門チケット売場(窓口)にて、キャンパスメンバーズ会員の学生であることを申し出、学生証をご提示ください。

公式サイト
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2637
お問い合わせ

050-5541-8600 (ハローダイヤル)