これから開催

マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート

佐藤瞭太郎《ダミー・ライフ #11》2022年
インクジェットプリント 12.4×14.8 cm

ルー・ヤン(陸揚)《独生独死—自我》2022年
ビデオ 36分 音楽:liiii

キム・アヨン《デリバリー・ダンサーズ・スフィア》2022年
ビデオ 25分

仮想空間と現実世界が接続し、人工知能(AI)が飛躍的に発展するなか、新しいテクノロジーは私たちの日常生活に急速に浸透し、とりわけコロナ禍は仮想空間における活動を加速させました。また、顧みればテ
クノロジーとアートは、コンピューター・アート、ビデオ・アートなどの歴史のなかで常に併走してきました。近年のビデオゲームやAIの発展がアーティストの創造活動に全く新しい可能性をもたらす一方で、生
成AI の登場は、人類の創造力にとっての脅威ともなっています。こうした動向は、現代アートの文脈においても大きく注目されています。

「マシン・ラブ」展では、ゲームエンジン、AI、VR、AR(*1)などのテクノロジー、さらにはアルゴリズムや生成AIなど人間の創造性を拡張するようなテクノロジーを採用した現代アートを紹介します。そこではデジタル空間上のさまざまなデータが素材となった新しい美学やイメージメイキング(図像や画像を作ること)の手法、不特定多数の他者とともにインタラクティブに創造された作品、アバターやキャラクターなどジェンダーや人種という現実社会におけるアイデンティティからの解放、といった特性が見られます。ただ、これら新しい方法を採用しながら、アーティストの表現の根幹では現代世界が抱える環境問題、歴史解
釈、ヒューマニティ(人間らしさ)、倫理、多様性といったグローバルな課題が掘り下げられています。

本展は、「マシン」(*2)とアーティストが協働する作品や没入型の空間体験などを通し、「ラブ(愛情)」、共感、高揚感、恐れ、不安など私たちの感情を揺さぶる、人類とテクノロジーの関係を考えるプラットフォームとなります。現実と仮想空間が重なり合う空間で、不確実な未来をより良く生きる方法をともに想像してみましょう。

(*1)VR(Virtual Reality:仮想現実)、AR(Augmented Reality:拡張現実)
(*2)ここで言う「マシン」は従来の重工業的な「機械」のイメージではなく、コンピュータおよびハードウェアの総称としての「マシン」を主に意味する。20世紀初頭には機械のスピード感やダイナミズムが象徴する新たな時代を「マシン・エイジ」と呼び、多様な芸術分野で支持された。本展では21世紀に広く浸透したコンピュータやインターネットに深く関わる新しい「マシン」時代のアートに注目する。なお、「ゲームエンジン」はハードウェアではなく、コンピュータゲーム制作に必要な機能をまとめたソフトウェアをさす。

Event Information

展覧会名
マシン・ラブ:ビデオゲーム、AIと現代アート
開催期間
2025年2月13日~6月8日
公式サイト
https://www.mori.art.museum
お問い合わせ

050-5541-8600(ハローダイヤル)

Venue Information

会場
森美術館
主催
森美術館