開催中

特別展

近代輸出漆器のダイナミズム―金子皓彦コレクションの世界―

芝山細工桜に鷹図屏風(金子皓彦コレクション)

芝山細工桜に鷹図屏風(金子皓彦コレクション)

芝山細工牡丹に蝶図衝立(金子皓彦コレクション)

蒔絵梅に尾長鶏図カクテルセット(金子皓彦コレクション)

寄木細工飾棚(金子皓彦コレクション)

滑らかで深みのある黒の質感、そこにほどこされる蒔絵や螺鈿といった装飾の華麗なきらめき―漆器は日本美術の精華にほかなりません。
古くは中世から世界の人々を魅了してきましたが、開港後には、万国博覧会などで西洋からさらなる注目をあつめます。西洋の趣味を反映し、その需要に応えて、国外への輸出が本格化しました。各産地では、小箱やアルバムの表紙などの小さな土産物から、衝立や飾棚といった大きな家具にいたるまで、工夫を凝らした多種多様な漆器が制作されました。国内向けに作られた漆器とは異なる用途をもち、和洋の文化と嗜好が融合して生まれたデザインは、新時代の魅力をたたえています。
横浜は、輸出漆器の中心地でした。国内各地で生産された漆器が集められ、輸出される貿易港だったのです。さらに、各地から漆器商や職人が移り住み、近代では有数の漆器の産地ともなりました。なかでも貝や象牙などを立体的に象嵌する芝山漆器は、その花形でした。このように、各地で新たな展開を迎えた漆器は、近代の輸出工芸の大きな柱の一つに成長していきました。

本展覧会は、金子皓彦氏のコレクションを中心に構成されます。輸出工芸のコレクターとして長年、海外で主に蒐集してきた、充実したコレクションです。本展ではそのなかから、芝山漆器や、静岡・会津などの産地で制作され、横浜を通じて海外へ渡った輸出漆器を中心にご紹介します。あわせて、同時代に漆器と括られることもあった、寄木細工や木象嵌などの輸出向けの木工芸もご覧いただきます。本展を通じて、知られざる近代輸出漆器の全貌に触れ、そのダイナミックな魅力を体感してください。

Event Information

展覧会名
特別展
近代輸出漆器のダイナミズム―金子皓彦コレクションの世界―
開催期間
2024年4月27日~6月30日
開館時間
09:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日 (祝日は開館、4月27~5月6日までは連続開館)
入館料

一般900円(800円)、20歳未満・学生600円(500円)、65歳以上200円(150円)、高校生 100円(100円)
※中学生以下・障害者手帳等をお持ちの方は無料、( )内は20名以上の団体料金
※神奈川県立の博物館・美術館等の有料観覧券の半券提出により団体割引料金になります。

公式サイト
https://ch.kanagawa-museum.jp/
お問い合わせ

045-201-0926

Venue Information

会場
神奈川県立歴史博物館
主催
神奈川県立歴史博物館