これから開催

特別展「線表現の可能性」

ベルナール・フリズ《ガルブ》2003 年 アクリル、樹脂、カンバス 国立国際美術館蔵 Courtesy of the artist

不動茂弥《形影の狭間(7)》1981年頃 アクリル、転写シール、カンバス 国立国際美術館蔵

須藤由希子《家と駐車場》2007年 油彩、鉛筆、石膏、カンバス 国立国際美術館蔵

宮崎豊治《Seeing…》1981年 鉛筆、インク、紙 国立国際美術館蔵

福岡道雄《ピーチ・ハウス》1974 年 黒色強化ポリエステル、木 国立国際美術館蔵

木村忠太《南仏の六月》1980年 油彩、カンバス 国立国際美術館蔵

中村一美《オレンジ・プレート》1986年 油彩、カンバス 国立国際美術館蔵

一枚の絵は一本の線を引くことから始まります。線にはいろいろな種類があります。直線、曲線、点線、波線。描く材料によっても線の表情はさまざまに変化します。鉛筆やペンが生み出す細く尖った線。木炭やチョークの太く軟らかい線。また、伝統的な東洋画では線に作者の人格が表れ出るものとされてきました。

線描画は、かつては完成作のための習作や下絵として描かれ、対象の形態を明確に輪郭づけるためのデッサンとしての役割を担ってきました。線は世の中のあらゆる存在を分節化し描き分けることで、各々を意味の世界へと定着させるための手段でした。その際、現実には存在しない輪郭線という抽象的な概念が絵画の基盤となりました。

一方、近代に入ると、線表現そのものに独立した価値が見いだされ、20世紀以降に誕生した抽象絵画では、線そのものが有している造形性に注目が集まるようになっていきます。画家たちは新しい線の創出を目指し、線はかつてない多様な表情と表現性を具えていったのです。こうして、線は絵画の原点であると同時に、今なおその表現領域を拡大し続ける、古くて新しいテーマとなっていきました。

本展覧会は、当館の所蔵品の中から版画・素描を中心に、絵画、彫刻、写真を加えた約150点を選び、現代美術における線表現の多様性を紹介します。日頃、意識することの少ない線という存在が、私たちの視覚にどのような作用を及ぼすのか、その興味深い検証の場となることでしょう。

Event Information

展覧会名
特別展「線表現の可能性」
開催期間
2024年11月2日~2025年1月26日
開館時間
10:00~17:00
※金曜・土曜は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
休館日
月曜日, 水曜日 (11月4日、1月13日は開館し、11月5日、1月14日は休館)
年末年始:12月28日~1月4日
入館料

一般1,200円(1,000円)大学生700円(600円)
( )内は20名以上の団体及び夜間割引料金(対象時間:金曜・土曜の17:00~20:00)
高校生以下・18歳未満無料(要証明)・心身に障がいのある方とその付添者1名無料(要証明)
本料金で、同時開催のコレクション展もご覧いただけます

公式サイト
https://www.nmao.go.jp/
お問い合わせ

06-6447-4680(代表)

Venue Information

会場
国立国際美術館
主催
国立国際美術館