これから開催
吉岡弘昭展
名古屋市を拠点に活動する画家・吉岡弘昭は、現代社会のありさまやそこに生きる人間の生の深淵を見つめる表現で群を抜く存在です。ユーモラスに表現された人間、犬、鳥などのモチーフは、哀しみとおかしみを湛えた不思議な魅力を放っています。
1942(昭和17)年、名古屋市に生まれた吉岡は独学で油彩画をはじめました。1963(昭和38)年の二科展で初入賞を果たし、以降4年連続で入選します。その後も1966(昭和41)年に第7回毎日現代日本美術展で入選するなど順調に画家としての歩を進めるなか、1969(昭和44)年より突如銅版画の発表をはじめます。銅板を直接彫り込んだドライポイントによるモノクロームの〈変身シリーズ〉で版画家としての頭角を現し、〈鳥女幻想シリーズ〉ではルーレットの使用やメゾチントによる面の表現が加わることで版表現がより深化していきます。しかし、この刺々しい線による傷ましく攻撃的な表現から一転、1970年代後半からはユーモアを湛えた動物や人間、記号が躍動する色彩銅版や水彩画、アクリル画を手がけ、独自の寓意的な作品世界を展開しました。近年でも創作意欲は衰えることなく、描くことの根源的な意味に迫ろうとしています。また他方で、1960年代より北川民次や児童美術教育家の滝本正男らの創造的な美術教育に影響を受け、幼児や児童への美術教育活動にも精力的に携わり続けています。
公立美術館での初の回顧展となる本展では、初期の油彩作品や版画家としての評価を確立したモノクロームのドライポイント、諧謔的な表現により独自の作品世界を切り拓いた1970~80年代の版画、水彩画から新作に至るまで、約60年に及ぶ吉岡の画業を総覧します。
Event Information
- 展覧会名
- 吉岡弘昭展
- 開催期間
- 2025年11月15日~12月21日
- 開館時間
-
10:00~17:00
(入館は16:30まで)
- 休館日
- 月曜日
- 入館料
一般800円(640円)、高大学生400円(320円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※市内在住・在学の高校生、市内在住の65歳以上の方、各種障がい者手帳をお持ちの方と付き添い1名は証明証提示で無料
- お問い合わせ
Venue Information
- 主催
- 碧南市藤井達吉現代美術館、碧南市、碧南市教育委員会