これから開催

小妻容子/要個展-ノスタルジア-

戦後から1960年代にかけて、日本国内ではあらゆるフェティシズムを特集した雑誌が多数流通し、やがてそれらはSM雑誌文化の礎となりました。1970~80年代には風俗誌全体が隆盛を極め、SM雑誌も空前のブームを迎え、多くの専門誌が創刊されます。
それらの誌面を華やかに彩ったのが、個性豊かな作家たちが独創性を競い合い、それぞれの世界観を表現した、数多くのフェティッシュなイラストレーションでした。斬新かつ完成度の高い作品群は、SMマニアにとどまらず、現在では世界中のアートファンからも高い評価を受けています。

1939年、新潟県に生まれた小妻は、日本画家である叔父のもとで絵の手ほどきを受けたのち上京し、本格的に画業を開始。SM雑誌の草分け的存在である「奇譚クラブ」への投稿を機に、点描による緊縛画・責め絵を描きはじめ、やがて日本画の技法をも取り入れた独自の作品世界を確立していきました。のちに「小説SMセレクト」「SMキング」「SM秘小説」など数多くの専門誌にて、緊縛や刺青を象徴とする作品を発表し、責め絵には「小妻容子」、刺青画や風俗画には「小妻要」の名を使い分け、凄惨な情景のなかにも官能と詩情が交差する、女性の内面性を映し出す抒情的な作品を描き続けました。

本展では、キャリア初期のペン画から、迫真の責め絵、絹本に描かれた緊縛画、そして雑誌の表紙を飾った刺青美人画など、氏が遺した多彩な作品をご紹介いたします。また、エディシオン・トレヴィルより刊行予定の最新画集も、本展にて先行販売いたします。小妻容子/要が作品に込めた、身体の痛みとともにある美、そして日本的な静けさと情感――緊縛と刺青に宿る美の極致を、ぜひご高覧ください。

1,000円(現金のみ、18歳未満入場不可)
※乳幼児やお子様を連れてのご入場もご遠慮ください

Event Information

展覧会名
小妻容子/要個展-ノスタルジア-
開催期間
2025年10月4日~10月19日
開館時間
12:00~19:00
※土日祝・最終日は12:00~17:00
※いずれも最終入場は閉場の30分前まで
休館日
会期中無休
公式サイト
https://www.vanilla-gallery.com/archives/2025/20251004ab.html
お問い合わせ

03-5568-1233

Venue Information