これから開催

ザドック・ベン=デイヴィッド

セカンド・ネイチャー – Second Nature – 展

The Other Side of Midnight, 2012
Hand painted stainless steel and UV Lights.
Dia. 240cm

Conversation Peace, 2018
Video 3 minutes 52 seconds

Happy Days (Large), 2023
Hand cut aluminium, hand painted, displayed on
shelf with mirror.
W55cm x H90cm x D0.3cm

Blackfield, 2007-2021
Hand painted stainless steel, sand.
500cm Dia

「セカンド・ネイチャー- Second Nature – 」は、ザドック・ベン=デイヴィッドの作品から同展のために選ばれた作品群を展示する。これらの作品が同じ空間に置かれるのは本展が初めてとなる。異なる時期に制作された作品が同じ空間に集うことで、それらが時を越えて結びつき、作品間の関連性や、意図の変化、繰り返し扱われる主題が明らかになる。

本展では、大型のインスタレーション作品である《Blackfield》と《The Other Side of Midnight》のほか、壁には《Evolution and Theory》と《Natural Reserve》、映像作品では《Conversation Peace》と《Same place Other Times (Panorama)》、さらに木や花のイメージを用いた新作のアルミニウム彫刻を展示する。
ベン=デイヴィッドが自然界から選び取ったモチーフは、人間の心理的態度を象徴している。人類は、自分たちが自然の一部であることと、なにより、地球という惑星に住まわせてもらっている存在なのだということを忘れがちだ。残念ながら人は、尽きることのない目の前の欲求を満たすために自然を飼いならそうと、搾取と実験を続けている。その報いとして、我々は今、気候危機にさらされる世界と向き合うこととなった。

19世紀以降の科学的理論の発展を振り返る《Evolution and Theory》は、ダーウィンの進化論をはじめ、重力や磁力、ガス、目の錯覚、機械技術など多くのテーマを含んでいる。この作品が扱うのは、人類の起源という過去の探求と、人類による未来と科学的発見の探求だ。そこには、科学実験の結果を肉眼で見ることができた時代への懐古が漂う。今では、すべてがマイクロチップの中に隠されているように思われる。

《Evolution and Theory》と同様、《Natural Reserve》も、19世紀の図解付き書物の図像を主に使用している。動物や植物、人間など、自然界の様々な側面を切り取った図像が組み合わさり、自然のモザイクを作っている。毎年、人間の行動が引き金となり、多数の生物が絶滅している。《Natural Reserve》では、人間も動物も平等に扱われて並べられ、それぞれが不可欠なパズルのピースとなり、全体像を構成している。

本展で展示される映像作品はどれも、終わりのないループ映像である。《Conversation Peace》には、多様な自然の種など、過去15年にわたってベン=デイヴィッドの作品でたびたび使われてきたモチーフが登場する。その画面では、堂々巡りの残忍な物語や無益な戦争、地球を壊しかねない人類の自滅的行為が、永遠に繰り返されている。
展示される作品の多くは、2つの性質の間で揺れている。《The Other Side of Midnight》は、真っ暗な部屋の中で展示されており、鑑賞者ははじめ、美しく照らされて鮮やかな円形を成す蝶の群れに引き寄せられて近寄っていく。蝶は愛らしい生物だと考えられているから、それが一匹手のひらに止まれば、人は悦びに満たされるだろう。しかし作品の裏に回ると、そこにはゴキブリと甲虫の群れが現れる。蝶と同じ虫であり同じように翅があるにも関わらず、蝶のような美しい色彩を持たないこれらの虫は不快感と嫌悪感を抱かせる。もし手に乗ってこようものなら、人はすぐに払いのけるだろう。鑑賞者は、人間が自身をどう見せるかについての先入観や、人間が互いの表面しか見ていないことについて、疑問を持つよう促される。

《Blackfield》は、何千もの黒く小さな花々が並ぶ荒廃した草原のような風景を見せるが、歩いていくと花々の裏側が見え始め、生き生きとした、万華鏡を覗き込んだような色彩が現れる。悲しみがあるところには喜びがあり、絶望があるところにはいつも希望があるのだ。

それぞれの作品は単体で成立しているが、それらがここに集合することで、ベン=デイヴィッドの芸術表現の発展という新しいナラティブが生まれる。そして鑑賞者は、集められた作品の中に新しい意味を見いだすよう誘われ、自然界における自身の立場について自らに問いかけることになる。

多様な作品が一堂にし、見慣れたものの再考と見えないものの発見を触発する「セカンド・ネイチャー- Second Nature -」展は、自分を取り囲む世界のヴィジョンを再訪・再考・再形成しながら制作を続けるアーティストの、新鮮で多層的な自画像となっている。

本展はベン=デイヴィッドによる作品の共演をこのような形で目撃できる機会は、他にはない展覧会となるであろう。

Event Information

展覧会名
ザドック・ベン=デイヴィッド
セカンド・ネイチャー – Second Nature – 展
開催期間
2026年2月14日~4月19日
開館時間
11:00~20:00
休館日
2月16日
入館料

無料

公式サイト
https://gyre-omotesando.com/gallery/
お問い合わせ

0570-05-6990(11:00~18:00)

Venue Information

会場
GYRE GALLERY
主催
GYRE