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Always Moving | 幽邃 | 測量としての線と辿々しい線

いよいよ伊勢佐木町センタービルでの活動も大詰めを迎るアズマテイプロジェクトでは、これまでの開催日程を変更して2週ごとに3つの個展を3つのスペースで開催します。

#31では、彫刻家 石井琢郎、写真家 海保竜平、画家 田中秀和が新作を披露します。石井はAZPの創設メンバーの1人でスペースの立ち上げに尽力し「#03 One Stone」では、巨大な岩を運び込みました。一貫して石をモチーフとし、自身と石にとって異なる時間と記憶を「現在」という共通点によって、重ね合わせていきます。海保は#01から展覧会記録の撮影を請負い「#09 幽邃」では、撮り溜めてきた倒木写真を一挙に公開。朽ち果てながら再生を促す倒木に魅了され、全国各地に赴き「次代に生命を引き継ぐ姿」を写真に納め続けています。田中は「#08 絵画へ向けて」に参加し、様々なメディアを用いて絵画に言及しました。絵画という仕組みをひとつの起点とし、そのルールを守りつつスライドさせながら「絵画の限界点」を模索します。

芸術作品は、表現形式や媒体が多岐にわたるにつれ、見る側へ難解さを突きつけ、よくわからないことだらけの世界へ誘います。しかし、裏を返せば私たちはこの21世紀に生きながら、何かひとつでも理解しているのでしょうか。もしくは、ひとつでも多く理解しようと努力しているのでしょうか。3人の作家からは、それぞれが打ち込み、取り憑かれたかのような興味への欲求をちいさな手がかりとし、世界をどうにか把握しようという真摯な態度を感じるのです。

石に魅せられ、倒木に歓喜し、逸脱を企てる。それぞれが歩む「道」が、取り壊しの決まったこの場所にどのように繋がるのか。目撃できることが楽しみです。(企画・文 烏亭)

Event Information

展覧会名
Always Moving | 幽邃 | 測量としての線と辿々しい線
開催期間
2022年9月2日~9月11日 終了しました
開館時間
14:00~18:00
休館日
月曜日, 火曜日, 水曜日, 木曜日
入館料

無料

公式サイト
https://www.junazumatei.com/

Venue Information