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マン・レイと女性たち
20世紀を代表する芸術家マン・レイ(1890–1976)。絵画やオブジェ、映画などジャンルを超えて活躍した彼は、1920年代〜30年代に成熟期を迎えつつあった写真という新しいメディアの可能性を追求しました。
ウクライナとベラルーシ出身のユダヤ系の両親のもと、ニューヨークで生まれ、画家を志した20代から本名のエマニュエル・ラドニツキーを改め、「マン・レイ」と名乗るようになります。
既存の価値観を破壊するダダの洗礼を受け、1921年にパリに移り、写真スタジオを設けると、自らが参加したシュルレアリスム運動の活動記録や作品写真、恋人や友人たちのポートレート、ファッション写真などを手がけます。多岐にわたるその作風は、レイヨグラフやソラリゼーションのような実験的な技法と相まって、独創的な表現世界を生みだしました。
本展は、とりわけマン・レイのまなざしが捉えた「女性たち」に光を当て、240点余の作品から創作の軌跡を追うものです。ユーモアとエスプリに包まれた自由で豊かなイメージをお楽しみください。
また、企画展「マン・レイと女性たち」に際し、当館独自の小展示として「マン・レイと日本」を特集します。
マン・レイは写真、オブジェ、映画、絵画に加え、ダダやシュルレアリスムの詩人と詩画集も手がけました。その幅広い活動は、彼がニューヨークからパリに移った1920年代後半から
日本でも紹介され、戦前の前衛芸術家たちに影響を与えました。本展では、日本のシュルレアリスム運動を牽引し、詩人、批評家、翻訳家として活躍した瀧口修造(1903–1979)と山中散生(ちるう、1905–1977)が海外のシュルレアリストと交わした書簡、写真、書籍などの資料を展覧し、日本におけるマン・レイの受容の一端を辿ります。
マン・レイが詩人ポール・エリュアールと共作した詩画集から、瀧口が阿部芳文[展也(のぶや)](1913–1971)と編んだ詩画集『妖精の距離』(1937)への流れを追います。
戦後、その阿部や瀧口の導きで渡欧した彫刻家、宮脇愛子(1929–2014)は、1962年から晩年のマン・レイと交流を結び、モデルもつとめました。二人の交流を示す書簡やオブジェを紹介すると共に、1960代後半、平面から立体へと変貌を遂げていった宮脇の創作を振り返ります。
Event Information
- 展覧会名
- マン・レイと女性たち
- 開催期間
- 2022年10月22日~2023年1月22日 終了しました
- 開館時間
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09:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで
- 休館日
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月曜日 (1月9日を除く)、2022年12月29日~2023年1月3日
- 入館料
一般1,200円/20歳未満・学生1,050円/65歳以上600円/高校生100円
*中学生以下と障害者手帳等をお持ちの方(および介助者原則1名)は無料です。
*「マン・レイと女性たち」展の観覧券で、同日に限りコレクション展「内藤 礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している2022」をご覧いただけます。
*ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜日:11月6日、12月4日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く) でご覧いただけます。 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、同日の会話を楽しむ日「オープン・コミュニケーション・デー」は中止します。
*その他の割引につきましてはお問い合わせください。
*最新情報と来館に際してのお願いは美術館ウェブサイト等を確認してください。
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Venue Information
- 主催
- 神奈川県立近代美術館