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HIRAKU Project Vol.14

丸山直文 「水を蹴るー仙石原ー」

「新作のためのイメージ」 2022年
Copyright the Artist. Courtesy of ShugoArts.

HIRAKU Projectは、過去にポーラ美術振興財団の助成を受けた作家を紹介する展覧会シリーズです。第14回目となる今回は、国内外で数多くの展覧会を開催し、国内の主要な美術館に作品が収蔵される、日本を代表する作家、丸山直文を紹介します。

丸山は1990年代の活動初期から一貫して絵画を描き続けています。カンヴァスを立てて描く伝統的な絵画の制作法とは異なり、丸山は、水を含ませた綿布を床に置き水平な状態で作品を描きます。にじみやぼかしを意図的に取り入れた画面の中でかたちの境界は曖昧に揺らぎ、アクリル絵具の鮮やかな発色とともに、判然としない夢のような世界を生み出しています。

今回の展覧会は、「水を蹴る―仙石原―」と名付けられました。水たまりを蹴り上げると、水面に映った静寂な世界が崩れてしまうように、私たちの足場がいかに不安定で、見知った世界が一変してしまう可能性と常に隣り合わせであるか。震災、気候変動やパンデミックを経験した私たちは、その事実を改めて目の当たりにしました。本展のタイトルには、世界の、あるいは私たち自身の不確かさに対する丸山の意識が顕れています。

展覧会の会場構成は、丸山と親交の深い建築家・青木淳が担当します。青木は、丸山の絵画からインスピレーションを得て、重ね合わせた布によるモアレを水面に見立てた会場構成を構想しました。仙石原は太古、湖の底にあった土地です。丸山と青木がつくり上げた、輝く薄いヴェールに包まれた展示空間は、水面を歩くような少しの不安とともに、誰も知らない世界へと私たちをいざなうでしょう。

Event Information

展覧会名
HIRAKU Project Vol.14
丸山直文 「水を蹴るー仙石原ー」
開催期間
2023年1月28日~7月2日 終了しました
開館時間
09:00~17:00
(入館は16:30まで)
入館料

大人1,800円、シニア割引(65歳以上)1,600円、大学・高校生1,300円、中学生以下無料、障害者手帳をお持ちのご本人及び付添者(1名まで)1,000円

公式サイト
https://www.polamuseum.or.jp/sp/hiraku-project-14/
お問い合わせ

0460-84-2111

Venue Information

会場
ポーラ美術館 1F アトリウム ギャラリー
主催
公益財団法人ポーラ美術振興財団 ポーラ美術館