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2024年11月1日
大工道具と聞いて、皆さんはどんなものを思い浮かべますか?
日曜日になるとトンカチやのこぎりをお父さんが使っていた、というのを思い出す方も多いのではないでしょうか。
最近では軽い材質の工具や、電動の大工道具も多く発展し、男性のみならず女性もDIYを楽しんでいます。
そんな身近な「大工道具」の専門博物館である竹中大工道具館を、スフマート編集部が突撃取材!
本記事では、大工道具から伝統的な建築の魅力を、今に伝える竹中大工道具館の魅力を紹介します。
竹中大工道具館は、日本で唯一の「大工道具」の専門博物館として1984年に、神戸市中山手の地に開館し、2014年に現在の場所に移転ました。
山陽新幹線「新神戸駅」から徒歩3分と好立地にも関わらず、豊かな自然に囲まれている竹中大工道具館。しかし竹中工務店がこの地を取得した110年前は、今ほど緑の深いものではなかったのだそう。
館を囲む豊かな森は、100年以上かけてできた、貴重な自然なのです。四季折々の草花を楽しむことができる庭を、眺めてみるのもオススメですよ。
家具作家が手掛けた個性豊かな椅子に腰をかけてホッと一息。
明治初期まで日本の建築は、木造建築一筋の歴史を歩んでいました。
特に日本の木造建築は、高度な技術を持った職人たちの手によって、他国には例のない独自の発展を遂げました。
そうした日本の木造建築を支えたのが、道具の王者ともいわれる「大工道具」です。
竹中大工道具館では、大工道具の魅力を7つのコーナーに分けて紹介しています。
こちらは、「桃山天満宮」(京都市・伏見)を建てた大工・坂田岩次郎が、社殿完成時に奉納したという59点の大工道具(京都市指定文化財)です。
なんとこの道具すべてを、1人の大工が使用していたのだそう!それがセットとなって現代まで伝わっているのは、大変貴重だといいます。
《唐招提寺金堂 組物模型》
多種多様な道具を駆使して、建物を造る大工。
そうした道具の使い方を学んだ後、竹中大工道具館の館内に建つメインの展示《唐招提寺金堂 組物模型》を観ると、また違った感想を持つことができるはずです。
地下2階から見上げると、その迫力にびっくり!
角材がどのように丸い柱になるのか。一つひとつクセのある木材を、どのように整えているのか。
製材機械や電動工具がまだ発展していなかった昭和初期以前の、大工の神業を展示室で体感してみてください。
人のように個性を持つ「木」を紹介する「木を生かす」コーナー
館内の各所にも、大工や左官などによる職人の技が散りばめられています。
受付から展示室へ続く木の階段を下ると、淡路島の名産である「いぶし瓦」を使用した中庭が見えてきます。
中庭に敷かれた淡路島産のいぶし瓦
自然光を浴びると美しい銀色に輝くいぶし瓦は、安土桃山時代にその製法が日本に伝えられ、淡路島では江戸時代初期から焼かれ始めたといわれています。
だるまさんが座禅を組んでいるように見えることから「達磨窯(だるまかま)」と呼ばれる窯でじっくり焼かれた瓦は、機械化された窯とは異なる力強さを持っています。
達磨窯は現在、全国でもわずかしか残っていない貴重な窯なのだそう。そうした日本の伝統の建築の技も、館内の至る所で紹介しています。
展示とともに、館内の床や壁などにも注目してみてくださいね。
茶室のスケルトン展示(「和の伝統美」コーナー)
大工道具から日本の建築の魅力を紹介する博物館、竹中大工道具館。
どの展示も「本当に人の手で造られたの?」と思うほど、精巧なものばかりです。
一部の展示は、実際に手に取ってじっくりと鑑賞することもできますよ。
「道具と手仕事」コーナーにある継手仕口のハンズオン展示
特に同館では、「継手(つぎて)」と「仕口(しぐち)」のハンズオン展示が人気なのだそう!
継手と仕口は、釘を使わずに木材同士をつなぎ合わせる技法のこと。鉋(かんな)や鑿(のみ)といった大工道具を使い、正確に木材をつなぎ合わせる非常に高度な技です。
同館に訪れる国内外のお客さんたちが、熟練の技を持つ大工の技の前に、頭をひねらせます。
スフマート編集部も実際に手に取り、その仕組みを動画で紹介しています。
ひとつの木材?と思うほどピッタリとくっついているので、分解に時間がかかりました。
リール動画でもご紹介中!▼
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常設展示のほかにも、竹中大工道具館では企画展も開催しています。最新の企画展示の情報は、館公式サイトをご確認ください。
おでかけシーズンは、竹中大工道具館で「大工道具」の歴史に触れてみてはいかがでしょうか。