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東山魁夷を中心に日本の風景画をたどる展覧会【福田美術館】
2025年2月10日
現代陶芸のすすめ/菊池寛実記念 智美術館
菊池寛実記念 智美術館(東京・港区)にて、「菊池コレクション 現代陶芸のすすめ」が、2025年5月6日(火)まで開催中です。
菊池寛実記念 智美術館は、同館設立者で現代陶芸のコレクターであった菊池智(1923-2016)のコレクションを中心に、現代陶芸の紹介を目的として2003年に開館しました。
本展では1983年に、菊池智がスミソニアン国立自然史博物館のトーマス・M・エバンスギャラリー(米・ワシントン)で開催した展覧会に出品した作品をはじめ、1970年代から80年代の作品を中心に日本の現代陶芸の展開を紹介します。
陶芸と聞くと、日用陶器や茶陶をはじめとした道具としての器を想像する方も多いと思います。
しかし、現代の陶芸には器の形態を用途や機能ではなく「立体造形」としてとらえる視点があります。
また、素材や技法、伝統など陶芸にまつわる要素を独自の視点でとらえたオブジェ的な造形作品が存在します。
河本五郎 《色絵渦紋飾瓶》 1982年
個人作家によって展開される多様な制作、その未知なる思考、美意識に魅了された菊池智。
本展では、菊池コレクションから、現代陶芸の魅力を深掘りしていきます。
菊池智がやきものに出合ったのは、第二次世界大戦中のこと。
土が炎に包まれて新たな姿へと生まれ変わるようすに、鮮烈な印象を受けたといいます。
富本憲吉 《白磁八角共蓋飾壺》 1932年 菊池寛実記念 智美術館
1950年代後半から、やきものの蒐集をはじめた菊池智。
当初は数寄者や専門家と交流し、古美術や古陶磁へ向かった視線が、やがて未知なる美として現代の作品をとらえるようになります。
そして、蒐集に留まらず、その魅力を伝えるため、1974年にギャラリー開設。
その第1回目の個展は、当時東京藝術大学の教授であった藤本能道に依頼しました。
藤本能道 《色絵木蓮と鵯八角筥》 1976年 菊池寛実記念 智美術館
この時の縁により、菊池寛実記念 智美術館の藤本能道のコレクションは、質、量ともに随一を誇ります。
本展でも、藤本能道の作品を楽しむことができますよ。
スミソニアン国立自然史博物館の展覧会開催時、菊池智は同館の展示デザイナーであったリチャード・モリナロリと出会います。
菊池寛実記念 智美術館の落ち着いた展示空間は、モリナロリによってデザインされたものです。
作品一つひとつが、まるでスポットライトを浴びる舞台俳優のように存在感を放っています。
非日常的な空間で、ゆったりと現代陶芸の美を鑑賞できます。
菊池コレクションから現代陶芸の魅力に迫る展覧会「現代陶芸のすすめ」展。
関連イベントでは、学芸員によるギャラリートークが開催されます。
開催日:2025年2月1日、22日、3月15日、4月26日
※いずれも土曜日15:00から
より詳しく展示について知りたい方は、ギャラリートークの参加をおすすめします。