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2024年11月1日
オルタナティブ! 小池一子展/非公開: アーツ千代田 3331
日本で初めての“オルタナティブ・スペース”を創設した小池一子(1936-)。
小池は、コピーライターや編集者、クリエイティブ・ディレクターとして1960年代以降の日本のクリエイティブ領域の黎明期をけん引し、80年代からはアートの現場でもその活動を展開してきました。
そんな小池がこれまで手がけてきた仕事を紹介する展覧会が、アーツ千代田 3331で開催中です。
本展では、小池の現代美術への情熱を具現化させた作家の作品を中心に、コピーライト、編集、翻訳、キュレーションなど、彼女の仕事を「中間子」「佐賀町」と名付け、大きく2部構成に分けて紹介。
さらに、同時代の芸術家やクリエイターたちの軌跡にも迫ります。
※展覧会詳細はこちら
1954年、小池は早稲田大学文学部演劇科に入学しました。2年時に英文科に転科するも、在学5年間は学生劇団「自由舞台」にほとんど時間を費やし、演劇に没頭していたといいます。
1959年に大学卒業後、堀内誠一の監修するアド・センター社に入社し、同年創刊の『週刊平凡』(平凡出版、現マガジンハウス)の連載ページ「ウィークリー・ファッション」にて、はじめて編集・執筆を担当。
「ウィークリー・ファッション」は、美しい写真と巧みな構成の斬新なファッション・ページとして、同業デザイナーたちの関心を呼びました。
1961年にはアド・センター社を退職し、フリーランスとして活動を広げていきます。
「オルタナティブ!小池一子展」展示風景 Photo:Keizo KIOKU
展示室1では、これまで小池が手掛けた編集や翻訳、コピーライト、企画、キュレーションの仕事が紹介されています。
ちなみに展示室のタイトルになっている「中間子」とは、日本初のノーベル賞受賞者である物理学者・湯川秀樹によって提唱された「中間子論」に着想を得て、小池が自身の仕事の象徴として選んだ言葉です。
この中間子論が、何かと何かを結びつけて新しい価値観を生み出す小池の仕事とマッチしたのだとか。このタイトルには、デザインやアートそのものではないが、創作に関わる共作を“見える化”するという意味が込められています。
「オルタナティブ!小池一子展」展示風景 Photo:Keizo KIOKU
続く展示室2では、現在も小池がアドバイザリーボードをつとめる「無印良品」の仕事について、紹介しています。
無印良品は1980年に西友のプライベートブランドとして誕生しました。
西武百貨店の社長・堤清二の依頼で集められたクリエイターたちと、彼らによって生み出された新しい価値観の商品群は、いまでは「MUJI」として海外にも多くのファンを持ちます。
小池がコピーライターとして携わった発売当初の仕事から、「くらしの良品研究所」を基点とする制作などについて紹介します。
「オルタナティブ!小池一子展」展示風景 Photo:Keizo KIOKU
1983年に日本初のオルタナティブ・スペースとして東京・永代橋際に誕生した「佐賀町エキジビット・スペース」(以下、佐賀町)。
佐賀町は2000年の閉廊までの17年間に、106の展覧会やパフォーマンスなどの表現活動を実現し、国内外を問わず今活躍する現代美術家の発表の場となりました。
本展では、当時展覧会を行った作家たちの作品から、現在展示可能なものを集めて展示。かつて佐賀町で開催された展覧会の熱気が、体感できるようになっています。
[左]白井美穂《雪の目録》1993年 ©Mio Shirai/[右]浜田優《雪の目録》1993年 ©Masaru Hamada
「オルタナティブ!小池一子展」展示風景 Photo:Keizo KIOKU
《雪の目録》は、詩人と現代美術作家47人の表現者により構成された作品です。
作品成立の構造から分野そのものを問い直し、新たな領域を切り開く本作。本展では当時の展覧会より2組の作品を展示しています。
武蔵野美術大学で教壇に立っていた小池は、その遺伝子を受け継ぎオルタナティブな活動を続けるクリエイティブな人材を多く育てました。
「アーカイブティック」では、小池の教え子たちが制作するファッションやデザインなどの商品を販売。あわせて、小池の著書などを自由に観覧できます。
こちらのスペースは入場無料! 展覧会の帰りに寄ってみてはいかがでしょうか。
美術館でもギャラリーでもない「美術」の現場を作った小池の仕事を紹介する本展。
オルタナティブな姿勢を貫く小池は、本展が「クリエイティブの現場へのエールとなれば」と語っています。
そんな活力のある本展から、新しいインスピレーションを得てみてはいかがでしょうか。
会期中無休
※「sagacho archives」(B1F B110)の内藤礼作品は毎週月曜日、2022 年2月21日(月)~ 23日(水)休廊