リサ・ラーソン展/松屋銀座

リサ・ラーソン展 日常に息づく独創的なクリエイティブの世界【読者レビュー】

2023年5月20日

リサ・ラーソン展 知られざる創作の世界 - クラシックな名作とともに/松屋銀座 8階イベントスクエア

こんにちは。
趣味で美術館巡りを楽しんでいる、Sfumart読者レビュアーのかおりです。

今回うかがったのは、日本はもちろん世界で大人気の北欧スウェーデンの陶芸家・デザイナーであるリサ・ラーソンの展覧会「リサ・ラーソン展 知られざる創造の世界ークラシックな名作とともに」です。

北欧インテリア好きであれば知らぬ人はいない、リサ・ラーソン。
詳しくなくても、赤い猫のマイキーはご存知の方も多いのではないでしょうか。

今回の展示では、これまでに日本では紹介されなかった一点ものの作品や、陶器ではなくガラスやブロンズといった異素材の作品、スケッチ画や雑誌などで取り上げられた様子など、約250点の展示がずらり。

展示会の英語タイトルは「Lisa Larson:Seen and Unseen」とあるように、すでに知られている作品とそうでない作品がともに紹介されており、過去にリサ・ラーソン作品をたくさん見てきたファンの方も、リサ・ラーソンについてそんなに詳しくないよという方も、どちらも楽しめる展示となっています。

おなじみ大人気の動物たちのオブジェ

まずはおなじみの作品から。見たことある!というもの、そのままのものをみたことはなくても、「リサ・ラーソンらしい」と思わせる作品たちです。丸みを帯びてころんとした独特のフォルムをした動物や子ども、女性をモチーフにした陶器のオブジェです。
いずれも素朴であたたかみのある、日常に根付いた、落ち着いた愛らしさがあります。

おなじみのライオンがちょこちょこ顔をだします。

カバ。おしりに鳥さんが乗ってるの、かわいいですよね。しかも3羽も!

トラ。ちょっと猫のマイキーに似ている感じがします。

その他、動物たちがずらりです。

ネココーナーもあります。
それぞれちがった特徴をもったネコたちなので、ネコ好きさんはお気に入りの子を探してみては?

実在の動物だけでなく、想像上の動物もいます!
黄色い展示ケースにずらりと並ぶ「未知の動物」たち。
じっくり見入ってしまいます。

人びとに向けられるあたたく思慮深いまなざし

リサ・ラーソンの愛情深い眼差しは、動物だけでなく人間にも向けられます。
特に小さな子どもたちや女性たちが作品に多く登場します。

女子会。
そんなタイトルをつけたくなるレイアウトで展示されていました。
「ABC少女シリーズ」と称されている少女たちのオブジェです。ストーリー性をもたせながら飾れるのがいいですよね。つい集めたくなっちゃいます。

かわいい子どもたち。
幼稚園ではこんな光景がありそうです。
2〜3等身のまるいフォルムや淡い色使いで、やわらかく愛らしい子どもたちの様子が表現されています。

祖父の膝の上で座る子どもには、心細そうな表情をみせながらちょこんと座る愛らしい子どもと、それを包み込む祖父のあたたかさが感じられます。

こうした日常にある小さなきらりとした瞬間をとらえたオブジェがリサ・ラーソンの魅力です。

ひとの器

また、初期の作品には、人間と器が一体となった作品が制作されています。

帽子の部分がふたとなっている、人のオブジェ。
囲んで何を話しているのでしょうか。
左の人の頭には鳥が乗っています。

前屈みになってろくろを回す陶芸家のオブジェは、その体の内側が器となっています。

これらは、リサ・ラーソンが、食べ物や液体を入れておく器といての容器と、経験や感情を入れておく器としての人間に共通点を見出してインスパイアされて、制作したものではないかとのことです。

静謐な雰囲気をただよわせるオブジェに、制作者の思想が垣間見えます。

貴重な一点もの、「ユニークピース」

こうしたリサ・ラーソンの作品は、量産されたものと、一点ものの2種類があり、今回の展覧会ではこの一点ものである「ユニークピース」と呼ばれる作品が数多く出品されています。

キャプションに「ユニークピース」と記載されているので、会場でご覧になるときにぜひチェックしてみてくださいね。あなただけのお気に入りの「ユニークピース」を見つけるのもたのしいですよ。

ガラスやブロンズでの作品制作

リサ・ラーソンは陶芸家として知られていますが、本展ではガラスやブロンズの制作物も紹介されています。

ここにもネコちゃん。かわいい。

そしてまさかこんなところに、「見ザル、聞かザル、言わザル」が!

たゆみないクリエイティブを支えるラーソン夫婦の絆

展示の最後には、リサ・ラーソンの夫であるグンナル・ラーソンの作品が取り上げられています。

ともに芸術家だったラーソン夫妻は、お互いに影響を受けあいながら制作を行いました。
どことなく共通した雰囲気も感じられます。

1952年、リサ・ラーソンが21歳のときにグンナル・ラーソンと結婚し、2020年にグンナルが亡くなるまで、ともに暮らし、仕事をしてきた二人。

リサはグンナルのことを最も重要な批評家だとよく言っていたそうです。
今回の展覧会の最後にグンナルの作品をもってきたところにも、敬愛の念が感じられます。
これまでもこれからも、グンナルはリサのクリエイティブを支え続けるのではないでしょうか。

大充実のグッズたち

展示を見終わったあとは、お待ちかねのグッズコーナーです!
アパレル、食器、キッチン用品、文房具、お菓子、などなど。

こんなに充実したグッズコーナーはなかなかありません!

散財必至のグッズコーナー。
私は文房具に目がないのですが、みなさんは何が気になるでしょうか?

展覧会限定商品もたくさんあるので要チェックです!

家に帰ったあともリサ・ラーソンの世界で日常を彩りませんか?

それでは愉しいアートライフを♪

Exhibition Information