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2024年11月1日
たばこ屋大百科 あの店頭とその向こう側/たばこと塩の博物館
たばこと塩の博物館(東京・墨田区)にて、幕末・明治初期から昭和期にかけての、たばこの販売と流通の移り変わりを紹介する展覧会が開催中です。
“たばこ屋”と聞くと、このような店頭を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
全国に似通った店頭が広がった背景には、1904年にたばこが専売制となったことが挙げられます。
本展では、たばこと塩の博物館が所蔵する膨大な館蔵品から、店頭の写真や看板、ノベルティなどの販売用品、帳簿などの経営資料を展示。さらに、たばこ屋の店頭も再現して、売る側の視点からその歴史を紹介します。
日本では、きせるで刻みたばこを吸う喫煙文化が江戸時代に浸透しました。
その後、明治期に私たちが良く知る紙巻たばこが普及し、現代まで根強く支持されています。
たばこが専売制となるまで、たばこ屋にはさまざまな業態がありました。
本展では、幕末から明治前期の専売制前のたばこ屋について詳しく紹介しています。
玉造で販売された刻みたばこ「秦野刻煙草」
このたわしみたいなものは、玉造(たまづくり)で販売されていた刻みたばこです。
江戸期以来、紙帯で巻くだけの玉造は主流の包み方でした。
しかし、封をしないで販売するため、印紙の再使用による脱税をする販売業者が増えた影響で、1888年の煙草税則改正で禁止されました。
明治中期になると、紙巻たばこを製造する業者が、大規模な工場を構え始めます。そして、全国に卸売業者・小売業者と特約を結び、販路拡大を図りました。
そうした専売前夜のたばこ屋の店頭には、製造業者が特約店用に作った看板やポスターなどの商品広告が店舗を賑やかに彩っていました。
個性豊かな当時の販促物にも注目です。
1904年に施行された煙草専売法により、たばこは大蔵省専売局のみが製造できることとなり、販売には専売局からの指定が必要となります。
この法律により、たばこ屋は専売局の製造するたばこを、全国一律の価格で販売するという商売に変わりました。
専売制が始まった当時のたばこ屋のルールなどが書かれた資料も展示しています。
こうした歴史的資料も多く展示しているので、歴史が好きな方にもおすすめです(大人は100円で入館できますよ)。
1949年になると、大蔵省専売局は日本専売公社に改組され、煙草専売法は「たばこ専売法」に改正されました。
専売公社の販売戦略は、各地の地方局と販売組合が一体となって行う販促活動にへと落とし込まれます。
昭和のレトロ懐かしいたばこ屋のPOPやノベルティなどの販促物も展示。
統一感と手作り感が同居した、当時のたばこ屋の雰囲気が味わえます。
売る側の視点から、たばこの歴史をひも解く展覧会「たばこ屋大百科」。
本展は、一般の方も撮影OKです。撮影の際は、展示室入口にある注意書きをご覧ください。
展示ケースに入った資料ももちろんですが、会場に流れているBGMにも耳を傾けてみてください。
このあたりが良く聞こえます。
本展鑑賞後、もっとたばこ屋について知りたいという方は、1階ミュージアムショップで販売中の書籍を購入してみては?
こちらは、本展担当学芸員の推薦図書『たばこ屋さん繁盛記―江戸から平成まで』です(本展の図録ではありません)。
関連図書や、たばこと塩の博物館ならではのグッズも販売しているミュージアムショップもお見逃しなく。