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ハローキティ誕生50周年!「キティとわたし」を紐解く展覧会
2024年11月21日
2024年2月9日、東京の麻布台ヒルズ内に「チームラボボーダレス」がオープンしました。
チームラボボーダレスは、アートコレクティブ・チームラボの手掛ける「地図のないミュージアム」。2018年にお台場にオープンし、2019年には単一アート・グループとして世界でもっとも来館者が多い美術館としてギネス世界記録™にも認定されました。
チームラボ《人間はカメラのように世界を見ていない》
チームラボボーダレスのエントランスに書かれた文字は、カメラで見ると空間に浮き上がって見えます
今回、麻布台ヒルズ内に移転し、世界初公開となる新作が追加されるのとともに、作品群もパワーアップ。お台場とはまた違った体験となる、新しいチームラボボーダレスをご紹介します。
チームラボは、アーティスト、プログラマ、エンジニア、CGアニメーター、数学者など、さまざまな専門分野のクリエイターが集まるアートコレクティブ。
2001年に日本で活動を開始し、アートによって、自分と世界との関係と、新たな認識を模索してきました。デジタルテクノロジーを駆使し、観るひとが作品と一体化するようなインタラクティブな作品を数多く制作しています。
チームラボ《境界のない群蝶 – 地形の記憶》2024
広大な空間で 迷子を楽しみながら 50以上の作品と遭遇する
ミュージアムの入り口は、麻布台ヒルズ地下1階。ここから階段を下ると、広大な展示空間が現れます。
チームラボ《人々のための岩に憑依する滝》2018
お台場のチームラボボーダレスでも印象的だった滝は 新しいチームラボボーダレスにも
花の映像が目の前いっぱいに広がる通路の先にあるのは、巨大な滝や花の映像が流れる印象的な空間。その部屋を囲むように複数の通路と複数の展示室があり、順路も地図もない迷路のような空間を探検するように作品を巡っていきます。
展示室を結ぶ通路のような空間にも複数の作品が移動していきます
会場内には50以上の作品がありますが、ひとつの展示室で上映される作品が変化したり、デジタルの作品自体が複数の展示室を移動したりと、同じ場所にいても観られる作品が次々と変化していきます。さらに、作品は鑑賞者の動きなどに影響を受けてリアルタイムで変化しつづけるのに加え、作品どうしも影響し合い、一瞬たりとも同じ場面がありません。
複数の作品が混ざり合い 影響しあいます
それでは新作を中心に、注目作品を見てみましょう。
奥行きのある空間に浮かび上がるのは、立体的に変化し続ける「光の彫刻」の作品です。
チームラボ《Light Sculpture Entrapped Nucleus of Life》2021-2024
強力なムービングライトの光を重ね合わせて作られた彫刻は、直線の光の集合ですが、柔らかく有機的に変化し続けます。ガラスの床の上に立つと、光の束に包まれ、まるで身体ごと彫刻の中に入り混むよう。
チームラボ《Light Sculpture Light Vortex》2016-2024
鑑賞者を光が包み込み 彫刻の中に入り込むように感じられます
このスペースで観ることができるのは、16の異なる光の彫刻作品。同じ「光」を素材にしても、多様な質感が生み出されます。
チームラボ《Light Sculpture 彩色球体》2024
それぞれ独立した無数の光の束が集合し、魚や鳥の群れのような秩序をつくりだすようすは、生き物のように感じられるかもしれません。
鏡に囲まれ、無限に広がるようにも感じられる空間。その中で無数の光る球体が、縦横無尽に渡されたレールの上をそれぞれのペースで走りまわります。
チームラボ《Microcosmoses》2024
印象的なのは、球体の中に見えるゼリーのような”ぷるんぷるん”の質感を持った光。それは、実際にゼリーのような物質が入っているわけではなく、光の効果で観る人の認識の中で質感がつくりだされる「認識上の彫刻」。チームラボが取り組んできたアートプロジェクトのひとつです。
チームラボ《Microcosmoses》2024
球体内の”ぷるんぷるんの光”は認識のなかでつくりだされる立体です
球体はそれぞれ異なる周期で明滅を繰り返しますが、この空間で流れるサウンドの周期にあわせて、すべての明滅が一致する瞬間があります。ひとつひとつは独立して動きつつも、一瞬、息を合わせるように一致した動きを見せたとき、意思を持っているにも感じられるかもしれません。これもまた、生命感をつくりだす試みです。
世界初公開となるこちらの作品も、シャボン玉のような球体が吊るされ、まるで無限に広がる宇宙のようです。
チームラボ《Bubble Universe》2023 (work in progress)
ミラー状の球体の前で立ち止まると中に灯りが灯り、その球体と一番近い球体にも光が灯ることを繰り返し、三次元に灯りが移動して最初のランプに戻ってきます。
チームラボ《Bubble Universe》2023 (work in progress)
人が近づくことにより 光の色が変化していきます
幻想的な光の空間に眼を奪われますが、球体にクローズアップしてみると、この中では4種類の光の表現が試みられています。
チームラボ《Bubble Universe》2023 (work in progress)
球体の中の4つの光にも注目してみてください
球体の中にある物理的な光源と、その灯りが消えたときにミラー状になって反射する光。さらに、《Microcosmoses》と同じゼリーのような”ぷるんぷるんの光”に、一部の球体の中を特定の角度から見た時にだけ見える水晶玉のような光。こちらも観るひとの認識世界の中だけに存在する「認識上の彫刻」作品です。
頭上から足元まで、全身が映像に包まれる空間です。
チームラボ《Black Waves》2024
壁からは岩壁のように直方体のLEDディスプレイが飛び出し、凹凸のミラーでできた天井と床面に複雑に映像が映り込むようすは、まるで万華鏡のよう。
チームラボ《Black Waves》2024
プロジェクションを使った浮遊感のある作品も多く手掛けるチームラボですが、こちらの作品は映像に質量を感じられるような迫力があります。
展示室の中だけでなく、ミュージアムの空間ではいたるところで常に作品が動き回っています。壁面に映し出された作品に触れると、花が散ったり、動物がこちらを振り返ったりとさまざまな変化も起こるので、作品とのふれ合いもぜひ楽しんでみてください。
チームラボ《花と人、コントロールできないけれども共に生きる》2015
人がじっとしていると花が生まれ 触れたり踏むと散っていきます
さらに、作品の一部は海外にあるチームラボのミュージアムともつながっています。例えば、半分だけが映し出された石の映像に触れると、そのもう半分が映し出されている上海のミュージアムの作品で、リアルタイムに変化が起こるそう。
こちらの作品は、上海のチームラボボーダレスとつながっています
展示室の境界だけでなく、作品どうしの境界や、人と作品の境界、そしてミュージアムの境界や国境さえも超える「ボーダレス」な作品世界を体験できる空間でした。
チームラボ《小さきものの中にある無限の宇宙に咲く花々》2016
「EN TEA HOUSE」ではお茶を飲みながら作品も楽しめます
なお、スマホアプリの「チームラボアプリ」では、作品解説を読むことができるほか、アプリから作品に参加したり、混んでいる作品の整理券を発券したりすることもできます。おでかけの際にはぜひこちらをDLして、より作品世界を楽しんでください。
境界のない、唯一無二の作品世界に没入できるチームラボボーダレス。
幻想的な作品の美しさや、体験の楽しさはもちろん、チームラボの新しい表現への挑戦も体感できる空間でした。「生命感」の表現や「認識上の彫刻」をはじめとした光の表現、そして、さまざまなメディアを使った映像表現などは、写真や映像では伝わりきらない、自分の目で観て、体験してこその作品です。
入り口で私たちを迎えてくれる、「teamLab Borderless」の文字が空間に浮かび上がる作品のタイトル《人間はレンズのように世界を見ていない》は、まさにそうした作品群を象徴しているようにも感じました。ぜひ、会場で多くの新しい試みを体験してみてください。