藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-/山王美術館

パリに魅了された3人の画家を紹介。1月31日まで!【山王美術館】

2025年1月11日

パリに魅了された3人の画家を紹介。1月31日まで!【山王美術館】

「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-」展示風景

山王美術館にて、「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-」が開催中です。

山王美術館コレクションが織りなす
開館15周年記念展

15年前の館記念展と同タイトルを掲げているという本展では、パリに魅了された「藤田嗣治」、「佐伯祐三」、「荻須高徳」の3人を紹介。

この3名は、山王美術館コレクションの主要作家でもあります。

コレクションのみの展示を続けてきた自前主義の山王美術館。質の高い収蔵作品の中から、よりすぐりの作品をピックアップして展示します。

3名の作家が見たパリの景色

藤田、佐伯、荻須はそれぞれパリを愛し、パリの景色を描きましたが、実は年齢はさまざま。

しかし、3名は東京美術学校(現在の東京藝術大学)に通っていたという共通点があります。


「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-」展示風景

展示の最初は3名の風景画を並べて展示。それぞれが見て描いたパリの景色は、鑑賞者の目にどのように映るのでしょうか。

また、それぞれの作家の生涯や交友関係などから、三者三様の芸術世界を垣間見ることができます。

佐伯祐三

現在でもファンの多い佐伯祐三は、各地で大規模な展覧会も行われてきました。

素早く荒々しい筆致といった佐伯らしい画風は、ヴラマンクやユトリロから影響を受けています。


「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-」展示風景

佐伯は2度パリに渡っていますが、日本に一時帰国している間も、自分の芸術を模索していたことがわかります。

本展では、船や下落合のありふれた風景といった、あまり観ることのできない貴重な佐伯作品も展示されています。

ちなみに、佐伯は大阪出身だそう。彼が幼少期を過ごした大阪の地で、その芸術を堪能できるなんて贅沢ですね!

荻須高徳

パリを描いた画家として知られる荻須高徳。

パリに渡ったあとは、何気ないパリの風景を描き続けました。


「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-」展示風景

フランス留学を決意した荻須は、一時帰国中の佐伯のアトリエを訪ね、パリでの生活のあれこれをアドバイスしてもらったようです。

また、パリでは佐伯と一緒にカンヴァスを並べて制作をしたこともあり、初期の画風には佐伯の影響が見受けられます。

佐伯からは描く姿勢を学び、藤田からもアドバイスを受けていたということからも、人柄の良さが伺えますね。

藤田嗣治

乳白色が代名詞とも言える藤田嗣治。

本展では、藤田が戦後に数多く描いた「子どもたち」を多数紹介しています。


「藤田嗣治・佐伯祐三・荻須高徳展 -パリを愛し、パリに魅了された画家たち-」展示風景

また、あまりなじみのない風景画なども展示。彼が画風を確立するために模索した跡を見ることができます。

藤田は晩年、キリスト教に帰依し、名前をレオナール・フジタとしました。レオナールは、かのレオナルド・ダ・ヴィンチに由来するそう。それ以降は、絵のサインも変わっています。

是非間近でその変化を見比べてみてください。

 

同じ時代をパリで過ごした、生き方も画風も異なる3名の画家が見た、三者三様の、パリの風景をお見逃しなく。


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