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2025年9月29日
藤城清治101歳展

グランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタル イベントラボで、「藤城清治101歳展 生きている喜びをともに」が、開催中です。
影絵作家として名高い藤城清治先生は、なんと現在101歳!まだまだ現役で作家活動をしています。
約8年ぶりの大阪開催となる本展では、「日本一大阪人パノラマ」(2014年制作)といった横6m×縦3mの大迫力の作品が楽しめる他、新作も観ることができます。
というわけで早速、藤城先生の影と光の作品に出会いに行ってきました。

影絵作家・藤城清治
藤城先生の原点は、戦争体験にありました。
終戦後、絵を描きたいと思っても何一つ道具がなかった時代。
藤城先生は、「影絵ならば、廃材を太陽の光や月光、ロウソクの光などで照らして、表現することができる」と気づき、影絵の制作を始めました。

そこから、光と影の面白さに目覚め、現在に至るまで影絵作品を追求し続けている藤城先生は、「ゴールはない。生きている限り描き続けようと思う」と力強く話しました。
「今日よりも明日はもっといい絵を描きたい。もっと喜びのある一日にしたい」
そう語った藤城先生は、生きている喜びが全身から溢れているようでした。それこそが現役の秘訣かもしれませんね。
8年前に大阪の天保山で開催された展覧会のために描き下ろされた「日本―大阪人パノラマ」。
本展では、展覧会場の入口に展示されています。

「日本一大阪人パノラマ」© Fujishiro Seiji Museum 2014
大阪名物は全て織り込まれていて、しかも、一つの作品として成り立っている。遠くから鑑賞した後は、そばに寄っていって、細かいところまで詳しく観たくなります。
制作中に、脊柱管狭窄症に倒れて手術を受けましたが、病室をアトリエ代わりにしてようやく間に合わせることができたそうです。
この大作は、一見の価値ありです!

左から「生きかえれフェニックス」2011、「生きるよろこび」1995、「平和の世界へ」2016 © Fujishiro Seiji Museum
太平洋戦争時には、海軍の航空隊に所属していたという藤城先生。長年、戦争関連の制作には手をつけてきませんでした。
しかし、80歳以降になってからは、自分が描かなければいけないと感じるようになったと言います。

左から「悲しくも美しい平和への遺産」2005、「九十九里浜旧香取海軍航空基地掩体壕のおもいで」2015 © Fujishiro Seiji Museum
原爆ドームや、旧海軍航空基地など。
決して明るくはないはずの場所が、明るい光に包まれている作品たちからは、藤城先生の明るい未来への祈りが込められていることが感じられます。

「長崎山王神社の一本足の鳥居と生き続ける大クス」2009 © Fujishiro Seiji Museum

「平和の世界へ」2016 ©Fujishiro Seiji Museum
2011年3月11日の東日本大震災についても、この震災を残さなければならないと強く感じたという藤城先生。
福島第一原子力発電所に広がるススキが原や、陸前高田の奇跡の一本松など。
これらも悲惨で悲しい光景が、幻想的な雰囲気に包まれていて、驚くほど暗い雰囲気を感じません。

「福島 原発ススキの里」2012 ©Fujishiro Seiji Museum

「陸前高田の奇跡の一本松」2012 ©Fujishiro Seiji Museum
それでいて、背筋を正したくなるような悲しみが、作品の底に流れているのを感じます。

左から「南三陸町防災庁舎・がれきは宝石」2012、「気仙沼 陸に上がった共徳丸」2013 © Fujishiro Seiji Museum
101歳の誕生日に公開された最新作「藤城清治101 アビーと共に生きる」は、藤城先生の生きる喜びが絵から溢れ出しているよう。
心がパッと明るくなる作品です。

「藤城清治101 アビーと共に生きる」©Fujishiro Seiji Museum 2025
天国へ上る階段の途中にいるのは、陽気な音楽を奏でる小人たち。
その周りでは、愛猫アビーや、カエルのケロヨン、鳥、タコ、イカや魚まで、みんな音楽に合わせて踊っています。
藤城先生によると、この作品には、「楽しい喜ばしい天国が、世の中に広がっていけばいいな」という祈りが、絵の中に込められているそうです。

100歳以降に制作した最新作の数々

「ミラクルアビートミラクルボーイ」©Fujishiro Seiji Museum 2025
会場の外にはグッズショップや、コラボカフェなどもあります。そちらも楽しむことができますよ。

この宇宙の中で、自分の足で歩き、目で見、呼吸をして生きている喜びを絵の中に込めている。
そう内覧会で語った藤城先生。101歳を超えた今、私たちよりもずっと強く生きている奇跡と喜びを感じているように思いました。
まさに生きる喜びをわけてもらえる展覧会。ぜひ足を運んでみてください。