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モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ

『イオンにみせられて』(もぐこん,2017年)

『ショッピングモール(部分)』(山口晃,2015年―)撮影:木暮伸也 ©️YAMAGUCHI Akira, Courtesy of Mizuma Art Gallery
*複製パネルの展示となります。

『ショッピングモールの歌姫:半﨑美子』(イオンモール旭川西にて、2020年)

『MALL #17』(小野啓,2012)

『Hysan Place 希慎廣場』(大山顕,2015年)

ショッピングモールとは、都市であり、宇宙である。
そして、想像力の源泉である。

百貨店展に続く今回のモール展では、ショッピングモールの文化的意義を考察してみたいと思います。これまで文化批評の文脈で、モールは社会を均質化し、古くからある商店街を虐げる存在として批判の対象となってきたことが多いように思います。しかし、私たちは、今日においてモールはむしろカルチャーを育む土壌であり、文化的象徴でさえあるのではないかと考えています。それは即ち、現代の都市における最も重要な公共圏であり、私たちの日々の生活の不可分な一部であることを意味します。

モールという箱に入れば、そこはまるで一つの都市のように、ストリートに沿ってアパレルショップや雑貨店、フードコート、映画館、広場などが展開され、吹き抜けからそれらを一望すると、人々の日常の最大公約数がここに凝縮されていることが再確認できます。こうした空間であることが、多くのアーティストたちの想像力を刺激するのも無理はありません。

本展は「ショッピングモールはユートピアだ」という仮説をもとに、「街」、「内と外の反転」、「ユートピア」、「バックヤード」といったいくつかのテーマを切り口に、モールという消費空間が私たちのイマジネーションにどのように働きかけ、どのような文化的価値を創造してきたのかを読み解いてみようとする試みです。展示室には、膨大なテキストと共に、映画、音楽、コミック、小説、ゲームなど、モールを舞台としたさまざまなジャンルの作品が、あたかも巻物がひもとかれたかのように出現します。本展サブタイトルに掲げたように、モールこそが私たちの夢見たユートピアであったのかどうか、ぜひみなさまの目で確かめていただきたいと思います。また本展が、ショッピングモールの一考察として、モールの新たな側面に光をあてることができる契機となれたなら幸いです。

会期中、本展を監修した大山顕氏(フォトグラファー・ライター)によるトークを予定しています。
詳細が決定次第、HPにてご案内します。

Event Information

展覧会名
モールの想像力-ショッピングモールはユートピアだ
開催期間
2023年3月4日~8月27日 終了しました
開館時間
11:00~19:00
休館日
月曜日, 火曜日 (祝日の場合は開館)
入館料

無料

公式サイト
https://www.takashimaya.co.jp/shiryokan/tokyo/
お問い合わせ

03-3211-4111(代表)

Venue Information