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秋季企画展 「没後130年 河竹黙阿弥―江戸から東京へ―」

落合芳幾「三芝居舞台開 口上」
元治元(1864)年(上段中央が黙阿弥)

河竹黙阿弥家葛篭

古河黙阿弥翁書斎

三代目歌川豊国「三人吉三廓初買」安政7(1860)年

「江戸桜清水清玄」自筆横書台本

観客に親切、役者に親切、興行主に親切―この三つの親切(三深切)をモットーとし、幕末から明治の歌舞伎界で活躍したのが作者の河竹黙阿弥(1816-1893)です。黙阿弥はそのモットーの通り、役者を生かし、観客に喜ばれ、そして集客に結び付く作品を書き続けました。没後130年を迎える今年、早稲田大学演劇博物館としては30年ぶりとなる大々的な黙阿弥展を開催する運びとなりました。

「江戸から東京へ」という副題が示す通り、黙阿弥が活躍したのは江戸から東京へと社会が大きく変化した時代です。江戸時代においても、そして明治という新しい時代においても、人々にとって最大の娯楽は歌舞伎という芸能でした。当館創設者の坪内逍遙は、多種多様な作品を生み出し、さらに時代の変化にも適応しながら活躍し続けた黙阿弥を「江戸演劇の大問屋」と評しました。江戸演劇の集大成者として、黙阿弥がまるで大きなデパートのような存在として逍遙の眼には映ったのでしょう。歌舞伎の作者として優れたエンターテインメント作品を多数輩出した黙阿弥ですが、近年では、日本近代演劇に黎明をもたらした功績にも注目が集まっています。その作品は没後も上演され続け、現代に至るまで様々な領域に影響を与えています。

2023年の秋からは、日本の伝統芸能の拠点として1966年に創設された国立劇場が建て替えのための再整備期間に入ります。演劇博物館と国立劇場は黙阿弥および河竹家と深い関わりがあります。本展は国立劇場との共催により、演劇博物館と国立劇場が所蔵する黙阿弥関連資料を一堂に会して皆様にお示しする、またとない機会となります。これら貴重な資料から、河竹黙阿弥の作品世界と没後の広がりについて、改めてみつめなおしたいと思います。

Event Information

展覧会名
秋季企画展 「没後130年 河竹黙阿弥―江戸から東京へ―」
開催期間
2023年10月2日~2024年1月21日 終了しました
開館時間
10:00~17:00
(火・金曜日は19:00まで)
休館日
10月4日(水)、25日(水)、11月1日(水)、15日(水)、23日(木・祝)、12月6日(水)、20日(水)、26日(火)〜2024年1月8日(月・祝)、17日(水)
入館料

無料

公式サイト
https://www.waseda.jp/enpaku/
お問い合わせ

03-5286-1829

メールでのお問い合わせはこちら

Venue Information

会場
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館 2階 企画展示室
主催
早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
共催

独立行政法人日本芸術文化振興会(国立劇場)