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モネ 睡蓮のとき
印象派を代表する画家のひとりであるクロード・モネは、並外れた“眼”と鋭敏な造形感覚をそなえ、自然の移ろいゆく光と色彩を画布にとどめました。しかし後年になるにつれ、その芸術は自然観察に根ざしながらも、より抽象的かつ内的なイメージへと変容してゆきます。とりわけ、ジヴェルニーの自宅の庭に造成された睡蓮の池と、周囲の自然を幾重にも映し出すその水面は、晩年のモネにとって比類なき創造の源となりました。そして、この主題のみを表わした巨大なカンヴァスによって楕円形の部屋の壁面を覆いつくすという構想のちの「大装飾画」プロジェクトが、1926年の画家の死にいたるまで、数十年にもわたりその心を占めるのです。この果てしない試行錯誤の過程においてモネは、遠近法に基づく西洋絵画の伝統的な空間論理を根本から覆し、自然と人、絵画と鑑賞者をめぐる、あらたな関係性を追求することになります。
本展覧会は、パリ、マルモッタン・モネ美術館のコレクションおよそ50点に加え、松方コレクションをはじめとする日本国内所蔵の作品によって構成され、「大装飾画」の制作過程で生み出された〈睡蓮〉作品群のほか、モネ晩年の芸術の豊かな展開を紹介します。
Event Information
- 展覧会名
- モネ 睡蓮のとき
- 開催期間
- 2024年10月5日~2025年2月11日
- お問い合わせ
Venue Information
- 主催
- 国立西洋美術館、マルモッタン・モネ美術館、日本テレビ放送網
- 巡回情報
・京都市京セラ美術館
会期:2025年3月7日~6月8日
・豊田市美術館
会期:2025年6月21日~9月15日