これから開催

ウィーン・スタイル ―ビーダーマイヤーと世紀末ライフスタイルとしてのデザイン

《椅子》
1820年頃
アセンバウム・コレクション
Asenbaum Collection,
©Asenbaum Photo Archive

ヨーゼフ・ホフマン(器デザイン)、マリア、リカルツ(装飾)
(左)《ボックス》、(右)《花器》
1920年頃
エルンスト・プロイル・コレクション
Ernst Ploil Collection,
©Foto:Leopold Museum, Wien

ダゴベルト・ペッヒェ
《箪笥(チューリッヒ支店の家具の一部)》
1917年
エルンスト・プロイル・コレクション
Ernst Ploil Collection,
©Christian Mendez / MAK

ダゴベルト・ペッヒェ
《レース》
1920年頃
エルンスト・プロイル・コレクション
Ernst Ploil Collection,
©Ernst Ploil, Fotografer: Brigit und Peter Kainz

ルーシー・リー
《ピンク線文鉢》
1970年代後半
個人蔵
Private Collection, Estate of the Artist
撮影:大屋孝雄

19世紀前半のビーダーマイヤーと世紀転換期という、ウィーンの生活文化における二つの輝かしい時代を取り上げ、銀器、陶磁器、ガラス、ジュエリー、ドレス、家具など、多彩な作品約270点を紹介します。両時代の工芸やデザインに通底するのは、生活に根ざした実用性と快適さ、誠実で節度ある装飾、そして自然への眼差しと詩的な遊び心です。
これら両時代に共通する美意識を、相互比較や空間構成によってご体感いただきます。

ウィーンは19世紀から20世紀初頭にかけて、独自のモダンスタイルを築きました。オットー・ヴァーグナーが実用性と合理性を重視する「実用様式」を提唱し、その思想に共鳴した弟子ヨーゼフ・ホフマンらが推進したウィーン世紀末のデザインは、幾何学的で建築的な造形を特徴とし、実用性と快適さを実現する機能美が備わっていたといえるでしょう。

この世紀末のデザイン革新の背景には、19世紀前半のビーダーマイヤー様式への回帰があります。手工業の質の高さ、模倣ではない主体的なデザイン、自然モチーフへの親しみは、世紀末のデザイナーたちにとって「近代的な住文化の出発点」として賞賛されました。過去の遺産を意識的に継承し、造形の基盤として参照しながら、より時代に即した造形に発展させることで独自の「ウィーン・スタイル」を獲得したのです。そのありようを、魅力的な作品群に加え、当時際立った存在であった女性パトロンや文化人の活動も交えて多面的に紹介します。

さらに最終章では、世紀末ウィーンを越えてなお継承されるそのスタイルについて検証します。

NUNOが本展のためにデザインした織物を作品の展示面に使用した、特別な鑑賞空間を楽しむことができます。

Event Information

展覧会名
ウィーン・スタイル ―ビーダーマイヤーと世紀末ライフスタイルとしてのデザイン
開催期間
2025年10月4日~12月17日
開館時間
10:00~18:00
※11月7日、12月5日、12月12日、13日は20:00まで開館。
※それぞれ入館は閉館の30分前まで
休館日
木曜日 (ただし12月17日は開館)
入館料

一般:1,500円 / 65歳以上:1,400円 / 大学生・高校生:1,000円 / 中学生以下:無料

※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料
※土・日・祝日は、美術館公式サイトにて日時指定予約をお願いします(平日は予約不要)。当日空きがあれば入館できます。
※混雑状況により入館方法が変更になる場合があります。最新情報は美術館公式サイトをご確認ください。

公式サイト
https://panasonic.co.jp/ew/museum/
お問い合わせ

050-5541-8600

Venue Information

会場
パナソニック汐留美術館
主催
パナソニック汐留美術館、日本経済新聞社