これから開催

アート・アーカイヴ資料展XXVII

交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ

「マルセル・デュシャン」展(フィラデルフィア美術館|1973年)にて《彼女の独身者たちによって裸にされた花嫁、さえも》の前で語り合う瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ
資料提供:慶應義塾大学アート・センター/撮影者:森口陽

「1963年12月3日付の荒川修作から瀧口修造宛書簡」
資料提供:慶應義塾大学アート・センター

「1962年に瀧口修造が荒川修作へ送ったバーント・ドローイング」
資料提供:荒川修作+マドリン・ギンズ東京事務所

瀧口修造(1903-1979)と荒川修作(1936–2010)は様々な形で触発し合う関係でした。荒川の渡米後、ほどなくして手紙の差出人にマドリン・ギンズ(1941-2014)の名前が加わりますが、瀧口の最期にいたるまでその往復書簡は途絶えることがありませんでした。
瀧口は完成にも未完成にも見える自身の手づくり本を「交信詩/交信紙」と呼んでいましたが、これを文字の通りに取ると、書簡を指しています。

荒川/ギンズから瀧口へ宛てられた書簡の中には、文字を連ねて用事や近況を伝達することに留まらず、ユーモアや機知に富む方法を用いて書簡を酷使し、新たなメディアへと変成させる準作品のような書簡がいくつもあります。
例えば、メッセージの書かれた古絵葉書の文字に重ねるように新たなメッセージを書き加えたり、印刷された図像に矢印や数語を加えて別の表現を生成させたりする書簡など。それらは書簡という非常に私的なメディアではありますが、発信者と受信者にしかわからないある種の秘境性を有する術語が駆使されているかのように見えます。
しかし同時に開かれた濃密な「空白(blank)」を発生させています。

本展では、書簡(「交信詩」)を共作の場と捉え、その中に蠢(うごめ)く「空白」を通して、瀧口と荒川/ギンズの諸問題を再考することを目指しています。

Event Information

展覧会名
アート・アーカイヴ資料展XXVII
交信詩あるいは書簡と触発:瀧口修造と荒川修作/マドリン・ギンズ
開催期間
2025年3月17日~5月30日
開館時間
11:00~18:00
休館日
土曜日, 日曜日, 祝日 4月26日~5月6日

・臨時開館日(予定):4月19日、5月24日
・臨時休館日(予定):4月21日、5月26日
入館料

無料

公式サイト
http://www.art-c.keio.ac.jp/news-events/event-archive/artarchive27/
お問い合わせ

03-5427-1621

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Venue Information

会場
慶應義塾大学アート・センター
主催
慶應義塾大学アート・センター