これから開催

三島由紀夫 ― ピエル・パオロ・パゾリーニ

対峙の⼿がかり 沈黙せず、⽬をそらさずに

Ken Domon, Yukio MISHIMA, 1955
© Collection of Ken Domon Museum of Photography

ullio Farabola, Pier Paolo Pasolini a Roma, 1960
© Archivi Farabola

本展は、在⽇イタリア⼤使館、ほか後援のもと、⽂化的・地理的・歴史的背景の違いから⼀⾒すると接点のないように⾒える三島由紀夫とピエル・パオロ・パゾリーニを、新たな視点から⾒つめ直す試みとして企画されました。しかし両者は、時代への鋭い批評精神、失われゆく伝統や過去への深い意識、そして⽂学・映画・演劇など複数の領域を横断した創作活動において、多くの共通点を有しています。

⼆⼈は、戦後を代表する作家・表現者として、それぞれの時代や社会に鋭い眼差しを向け続けました。作家、映画監督、劇作家、評論家として多彩な活動を展開するとともに、⽂化的・政治的・実存的な緊張のなかで積極的に発⾔を⾏い、公共的議論を牽引する中⼼的存在として⼤きな役割を果たしました。⽂学、映画、演劇など多様な表現領域を横断しながら、⼈間、社会、伝統、そして現代という時代そのものを問い続けた点においても、両者は深く響き合っています。

展覧会では、両者の知的・芸術的活動を並⾏する⼆つの軌跡として提⽰し、その類似性、緊張関係、そして交差する接点を浮かび上がらせます。アーカイブ資料、写真、書籍、初期作品、インタビュー、記事、ドローイングによって構成されるこの対⽐は、思想のみならず、公的存在としての姿や20世紀の国際⽂化における役割を再考することを⽬指しています。プロジェクトの中⼼には、⾝体、伝統、メディア表現、そして社会における⼈間の変容との関係があります。パゾリーニは、消費社会の浸透による均質化のなかで、⺠衆的で⼟着的な⽂化や農村社会のイタリアが次第に飲み込まれ、失われていく過程を、批判的なまなざしで⾒据え続けました。⼀⽅、三島は、敗戦後の⽇本における急速な⻄洋化の進⾏のなかで、伝統的な⽂化や価値観、そして戦後に再編されていく象徴的な秩序の揺らぎと変容を⾒つめていました。

また本展では、写真というメディアが両者の公的イメージをいかに形成し、解釈されてきたかという点にも注⽬します。篠⼭紀信、⼟⾨拳、フェデリコ・ガロッラ、サンドロ・ベケッティといった20世紀を代表する写真家たちによって捉えられた彼らの表情や⾝体は、展⽰全体の重要な軸となり、その思想や⽂化的遺産を読み解くための⼿がかりとして機能します。本展は、単なる伝記的な⽐較にとどまるものではありません。実際に出会うことのなかった⼆⼈の⼈物が、それぞれの時代の⽭盾を極めて明晰に⾒据え、沈黙することなく、⽬をそらさずに、⽂化の画⼀化と記憶の喪失に抗い続けた軌跡を通して、訪れる⼈々に開かれた対話の場を⽣み出すことを⽬的としています。

展⽰は「⾁体」「責任」「⽂学」「映画」「劇場」「芸術連関」「社会」という7つのキーワードを軸に構成。なお、本展および関連資料は、⽇本語・イタリア語のバイリンガルで展開されます。

Event Information

展覧会名
三島由紀夫 ― ピエル・パオロ・パゾリーニ
対峙の⼿がかり 沈黙せず、⽬をそらさずに
開催期間
2026年6月26日~7月29日
開館時間
10:30~17:30
休館日
日曜日
入館料

無料

公式サイト
https://iictokyo.esteri.it/iic_tokyo/
お問い合わせ

03-3264-6011(代表)

Venue Information

会場
イタリア文化会館 エキジビションホール
主催
イタリア⽂化省、ローマ国⽴近代美術館、SUAZES