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光陰礼讃 ―近代日本最初の洋画コレクション

クロード・モネ《モンソー公園》
1876年 泉屋博古館東京

ジャン=ポール・ローランス
《マルソー将軍の遺体の前のオーストリアの参謀たち》
1877年 泉屋博古館東京

藤島武二《幸ある朝》
1908年 泉屋博古館東京

鹿子木孟郞《ノルマンディーの浜》
1907年 泉屋博古館東京寄託

山下新太郎《読書の後》
1908年 泉屋博古館東京

住友コレクションの一角を占める近代洋画は、住友吉左衞門友純(春翠)が明治30年(1897)の欧米視察中のパリで印象派の画家モネの油彩画2点を入手した事に始まります。このとき購入した西洋絵画などを、明治36年(1903)に完成した住友須磨別邸(洋館)に並べることになりますが、春翠は各部屋の用途や性格に応じた絵を飾っていくことを計画していきます。収集の手立ての一つとしたのが、パリ留学を支援していた洋画家・鹿子木孟郎を仲介者としたことでした。鹿子木は当時パリ画壇で活躍する巨匠たちの名画を住友に届け続けることになります。その中心は、ジャン=ポール・ローランスなどフランス・アカデミーの古典派の絵画です。19世紀末のフランス絵画は、印象派の台頭とともに古典的写実派が次第に衰退していく様相を示すことになりますが、住友洋画コレクションには同時代の印象派と古典派の作品がともに揃って収集されているところに特徴があります。その後、春翠が開いた洋画コレクションには、関西洋画壇をリードした浅井忠やその門下生たちの作品、また東京美術学校で学び明治末から大正期にパリに留学して帰朝後に日本の洋画を切り拓いた青年画家たちの作品が順次加えられていきました。

こうして収集された住友洋画コレクションは、明治維新後の近代の日本において有名な松方コレクションや大原コレクションなどの成立・公開より数10年早く成立したもので、しかも須磨別邸という限定的空間ながら一般にも公開していました。その意味では、「近代日本最初の本格的な洋画コレクション」といえるものなのです。

本展では、光を追い求めた印象派と陰影表現による実在感を追究した古典派を「光陰」と捉え、この「光陰」二つの流れから滋養を受けて展開した近代洋画の数々を、初公開の作品を含めて紹介します。

Event Information

展覧会名
光陰礼讃 ―近代日本最初の洋画コレクション
開催期間
2023年3月14日~5月21日 終了しました
開館時間
10:00~17:00
※入館は開館の30分前まで
休館日
月曜日, 4月25日
入館料

一般800円、高大生600円、中学生以下無料

※20名以上の団体割引20%

※障がい者手帳ご提示の方はご本人および同伴者1名までは無料

公式サイト
https://sen-oku.or.jp/kyoto/
お問い合わせ

075-771-6411

Venue Information

会場
泉屋博古館
主催
公益財団法人泉屋博古館 日本経済新聞社 京都新聞