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河本五郎 反骨の陶芸

河本五郎「赤絵の壺」1971年(撮影:渞忠之)

河本五郎「色絵撩乱の箱」1974年
瀬戸市美術館(撮影:渞忠之)

河本五郎「長壺」1964年(撮影:渞忠之)

河本五郎「馬の明器」1972年(撮影:渞忠之)

河本五郎「色絵史神文四方器」1974年(撮影:渞忠之)

河本五郎「銀彩女人四方器」1980年頃(撮影:渞忠之)

河本五郎(かわもと・ごろう/1919~1986)は表現素材としての陶磁器を追求し、その概念を推し広げた作家の一人です。1000年以上の歴史を持つ陶磁器の生産地、愛知県瀬戸市に生まれ、幼少より瀬戸の窯業に身を置きますが、伝統的な技術や価値観を客観的に捉え、個人の創意でそれらに対峙しました。

河本の制作は、大きくは前半の陶器と後半の磁器に分かれます。陶器の制作では、やきものの造形美は土の性質を抽出し象徴することにあると考え、土の粗い表情や裂け目、歪み、ひずみを生かし計算し、様々な方法で素材感や物質感をダイレクトに造形化する作風を確立します。成形技法としてロクロに重きを置いた当時の瀬戸において、作りたいものに合わせて土や技法を選択、または開発する河本の姿勢は異質なものでした。

家業の染付磁器とは異なる制作で作家として自立した河本ですが、意志ある姿勢はそのままに、しかし陶器から磁器へ制作を移行させます。そして瀬戸の染付磁器と更にそのルーツとなる中国陶磁への考察をもとに、どちらとも異なる独自の染付と色絵に取り組んだのです。それは自らの制作で陶磁の伝統や歴史に迫り、乗り越え、進展させようとする行為であったといえます。

本展は、東京で開催する没後初めての回顧展となります。陶磁器における創作に真摯に向き合った初期から晩年までの70余点で河本五郎の陶芸をご覧ください。

会期中、展示替えがあります。

Event Information

展覧会名
河本五郎 反骨の陶芸
開催期間
2023年4月22日~8月20日 終了しました
開館時間
11:00~18:00
(入館は閉館の30分前まで)
休館日
月曜日 (ただし、7月17日は開館)
7月18日
入館料

一般1,100円、大学生800円、小中高生500円

公式サイト
https://www.musee-tomo.or.jp/
お問い合わせ

03-5733-5131(代表)

Venue Information

会場
菊池寛実記念 智美術館
主催
公益財団法人菊池美術財団