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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
リニューアルオープン記念特別展「シン・東洋陶磁 ‒MOCOコレクション」/大阪市立東洋陶磁美術館
美術館や博物館など文化施設が集積する大阪・中之島。
2年間の改修工事を終え、大阪市立東洋陶磁美術館(通称MOCO)がこのたびお目見えしました。
4月12日~9月29日の期間、リニューアルオープン記念特別展として、世界に誇る東洋陶磁コレクションのスターたちが勢ぞろいする「シン・東洋陶磁」が開催されています。
タイトルの「シン」には、「新」たなミュージアムへと歩み始めること、「真」の美しさとの出会い、「心」がワクワクする鑑賞体験を、という3つの願いが込められているそう。
増築されたスタイリッシュなエントランスホールとカフェは美術館の新しい「顔」。
明るく開放感にあふれたガラスウォールで、中之島公園と一体感を醸し出します。人びとに開かれた美術館でありたいという願いが込められています。
館内に入ると、美しい曲線を描くコンクリートの壁と階段が目を惹きます。
展覧会でおなじみのエントランス看板が見当たらないなと思ったら、最新の大型ディスプレイが設置されていました。
今回のリニューアルで、美術館のロゴタイプも一新されました。
キャラクター「mocoちゃん」も登場。大型ディスプレイの下中央「東洋陶磁美術館」のロゴの横に猫のような動物がいるのにお気づきでしょうか。
mocoちゃんは館内のさまざまな案内バナーに登場します。「mocoちゃん」はどこから来たのかというと・・・。この壺!
18世紀の朝鮮半島、王室専用の白磁の官営工房・広州官窯で制作された壺。
ここに描かれている「虎」がモデルなんです。表情がとっても可愛いので猫かと思ったら虎なんだそうです。
大阪市立東洋陶磁美術館は、芸術性の高い東洋陶磁を収蔵展示する、質・量ともに世界的な美術館。
住友グループから寄贈された、世界的に有名な中国・韓国陶磁「安宅コレクション」を中心に、韓国陶磁の「李秉昌コレクション」、日本陶磁コレクションなど、国宝2件、重要文化財13件を含む世界一級のコレクションです。
これが有名な国宝の油滴天目茶碗。水面に浮かぶ金・銀・紺の油のしずくのような美しい斑文が茶碗の内外に広がります。
中国・南宋時代に現在の福建省にあった建窯で制作され、鎌倉時代以降に日本に渡ってきました。
この繊細な光沢の魅力を最大限に見てもらおうと、透明度の高いガラス、茶碗の内面を浮かび上がらせるスポット照明などを備え、360度から楽しめる専用展示ケースに展示されています。
本展では油滴天目茶碗をはじめとする珠玉のMOCOコレクション約380件を一度に観ることができます。
館内は13の展示に分かれており、それぞれテーマが設けられています。
最初の部屋は「天下無敵」と題されたザ・ベストMOCOコレクション。選りすぐりの逸品が展示されています。
陶磁器の名品とともに展示されているのは、写真家・六田知弘氏の写真作品「壁の記憶」シリーズ。
無機質な壁にアクセントが入り、作品がより一層引き立ってます。
「翡色幽玄」と題された展示室には、翡翠のような輝きで知られる高麗青磁(こうらいせいじ)の逸品が並びます。
青磁の濃淡が美しいこの作品は、花びらを模した碗の内側に上品な菊花文が刻まれています。展示台が鏡面になっており、器の裏側も鑑賞することができます。
こちらも高麗青磁。植物文が表された丸いやわらかな形の水注です。把手や注口は蓮の葉がデザインされています。
素地とは異なる黒い土をはめ込んで植物の輪郭(りんかく)を描き、その背景にまた白い土を埋め込んだ高度な技法でつくられています。
朝鮮で15世紀ごろ盛んに作られた、鉄分の多い素地に白泥で装飾を施した「粉青(ふんせい)」という陶磁器で、日本では「三島(みしま)」と呼ばれたりしています。
角杯はもともとは動物の角で作られた杯を指します。
鑑賞していると、作品がとても見やすいことに気づきます。
展示ケース内の照明は、陶磁器の微妙な色合いや質感をひきだすために自然光に近いLED照明を採用。
展示台は免震台となっていて地震から作品を守るだけでなく、作品をテグスで固定する必要がないため自然な状態で作品を鑑賞することができるんです。
朝鮮陶磁の名品を観た後は、日本陶磁の展示室へ。
最初に目に飛び込んできたのがこちら。相撲を取るようすを生き生きと表現しています。
乳白色の地肌に赤を基調とした上絵付で有名な「柿右衛門様式」の磁器はヨーロッパに輸出され、王侯貴族に愛されました。
この瓶もヨーロッパに輸出され、里帰りしたものと考えられています。
柿右衛門をはじめとする有田焼は、マイセンなどヨーロッパの磁器に大きな影響を与えました。
大胆で可愛らしい花柄。フィンランド発の花柄デザインで人気を呼んだ「マリメッコ」を思い出しませんか?
でも北欧じゃなく日本、それも江戸時代のものなんです。
琳派の祖として有名な尾形光琳の弟、尾形乾山の作品。現代の店先に並んでいても何の違和感もない斬新なデザインです。
こちらは中国・南宋時代の茶碗。
内側に焼き付けられているのは、なんと本物の桑(くわ)の枯葉です。加賀前田家に伝わった名品。
東洋陶磁美術館では、自然光に近いLED照明の採用など陶磁器の微妙な色合いを鑑賞しやすいよう工夫されていますが、実際に自然光を採り入れた展示室があります。
自然採光展示は世界初だそう。最も理想的と言われる条件で陶磁器鑑賞を楽しむことができます。
「皇帝万歳」と題された展示室では、皇帝のためにつくられた中国陶磁の最高峰の作品を観ることができます。
景徳鎮(けいとくちん)は北宋時代からの1000年以上の歴史を誇る磁器の都。
とりわけ明時代には、宮廷用磁器専門の官窯が設置され、磁器が生産されました。
立体的に盛り上げた文様に数色の釉薬(ゆうやく)を施す「法花(ほうか)」と呼ばれる技法でつくられた大きな壺。
鳥や花の絵がとても美しい作品です。
この展示台はゆっくりと回転するようになっていて、壺の全面を鑑賞することができます。
とても紹介しきれない多くの名品を一堂に観ることができる展覧会。
まさに「東洋陶磁の殿堂」です。
このほか、3DCG化した国宝・油滴天目茶碗をリアルタイムで自在に動かす体験ができる「体感!国宝 油滴天目茶碗」のコーナーも用意されています。
ミュージアムショップとカフェもリニューアルオープン。
大胆なガラスウォールの開放的カフェでは、美術館のコレクションをモチーフにしたドリンクも楽しめます。
大阪市立東洋陶磁美術館がリニューアルオープンした中之島は、大阪中之島美術館、国立国際美術館、中之島香雪美術館、大阪市立科学館など文化施設が建ち並ぶカルチャーゾーン。
美術館をはしごして、アート三昧な一日を過ごしてみてはいかがでしょうか。