石村嘉成展~いのちの色たち~/兵庫県立美術館

生きもの達の溢れる生命力を満喫しよう【兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階ギャラリー】

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2024年10月23日

石村嘉成展/兵庫県立美術館

兵庫県立美術館 ギャラリー棟3階ギャラリーにて、「石村嘉成展~いのちの色たち~」が開催中です。

愛媛県新居浜市在住の石村嘉成は、数々の賞を受賞した大人気のアーティスト。
岡山・愛媛の展覧会では約8万人を動員した人気の展覧会が、兵庫県にやってきました!

今にも画面から飛び出してきそうな生きものや植物の絵画200点超が展示されています。

そんな人気の展覧会に、早速行ってみました!

アーティスト・石村嘉成

1994年生まれの石村嘉成は、2歳の時に自閉症と診断されます。

石村の母は、「人に大事にしてもらえる子、人に好かれる子になってもらいたい」と願って、家族と協力し合いながら、彼を育てます。

しかし、母は石村が小学5年生の時に、亡くなってしまいました。

(左から)石村嘉成・石村の父

その後は、父と二人三脚で人生を歩んできた石村。高校3年生の時の選択授業で版画に出会い、才能を開花させます。

2013年第2回新エコールドパリ浮世・絵展で優秀賞を受賞。以降、数々の賞を受賞し、人気のアーティストとなりました。
今回の展覧会では、受賞した作品の数々が多数展示されています。

受賞した版画作品 ©石村嘉成

また、母が担任の先生に宛てた手紙や、母の肖像画なども合わせて展示されています。

「母の肖像・高野山にて」 ©石村嘉成

本展スペシャルサポーターの森泉さん

本展のスペシャルサポーターに、モデル・タレントの森泉が就任しました。

(左から)森泉・石村嘉成

動物が大好きな森泉は、自宅でも鳥やインコ、犬やブタや、ハリネズミなど23匹もの生きものを飼育しているとのこと。
石村の作品に不思議なシンパシーを感じて、スペシャルサポーターを引き受けたそうです。

「私はとにかく、彼の作品の大ファンです!」と元気よく語った森泉。
本展では、石村と共同で描いた版画を披露しました。

この共同作業を行った時に、森泉は、自宅のルリコンゴウインコの尾っぽから抜けた羽を石村にプレゼントしたのだそう。

石村は、森泉のルリコウゴウインコの羽を胸につけて、オープニングセレモニーに登壇しました。

動物愛であっという間に仲良しになったという二人は、オープニングセレモニー後には、そろって会場を回り、森泉に展示作品について説明していました。

「Animal History」 ©石村嘉成 を森泉に説明する石村親子

石村親子が、まず熱心に説明していたのは、26mの巨大絵画「Animal History」です。

アンモナイトや恐竜など、生命の歴史を色鮮やかにいきいきと描かれた本作。

石村の父によると、恐竜の周りに飛んでいる金色の蝶々は、亡き母をイメージして描いたのだそう。

「Animal History」 ©石村嘉成

息を呑んで見入ってしまいます。

温かく描かれる親子愛

「その時の気持ちによって推しの絵は変わる」と語っていた森泉。
内覧会当日の推しの絵は、ナマケモノ親子の温かい親子愛を描いた作品「フタユビナマケモノの親子」です。

優しいお母さんの表情にグッとくるんだそうですよ。

「フタユビナマケモノの親子」 ©石村嘉成

石村の作品の中には、親子をテーマにした絵がこの他にもたくさんありました。

動物親子の何とも言えない優しい表情に、心が温かくなりますね。

兵庫県のコウノトリとタイガース

会場入ってすぐに飾られているのは、ピンク色のコウノトリと大迫力のタイガーです。

本作は、兵庫県の青空を優雅に飛ぶコウノトリの絵なんだそうです。

コウノトリといえば、豊岡市の鳥として有名ですよね。

絶滅危惧種にも指定されていますが、いつまでもコウノトリが、兵庫県の空を優雅に飛べますようにと願いを込めてこの作品を描いたそうです。

また、兵庫県といえば阪神タイガースも有名ですよね!それで、大迫力のタイガーを描いたといいます。

絵日記とお土産ショップ

会場を出ると、石村嘉成が毎日つけているという絵日記がズラリと展示されています。

こちらも1つ1つ見ていくと、とても面白いので必見です!

そして、ミュージアムショップも見逃せません。

石村嘉成の描いた動物のハンカチや、Tシャツなど、思わず欲しくなるグッズでいっぱい。
ぜひ、ゆっくりご覧になってみて下さいね。

まとめ

生きもの達の毛の1本1本や、陰影の織りなす微妙な色彩の違いなど、物の細部まで見ることができるのは、自閉症の特徴だと言われています。

そんな石村さんだからこそ、まるで画面から飛び出しそうな活き活きした生きものを描き出すことができたのではないでしょうか。

生きものが大好きだという気持ちそのままに描いた生命の命溢れる作品展。

会場から出ると、生きものへの愛で自分の心もいっぱいなのがわかりました。興味のある方はぜひ、本展へ足を運んでもらえたらと思います。