特別展「大原美術館所蔵 20世紀美術の巨匠たち♡ ウォーホル、ロスコ、リキテンスタイン」/中之島香雪美術館

20世紀美術の巨匠、ウォーホルやロスコ作品が一堂に【中之島香雪美術館】

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2025年2月4日

特別展「大原美術館所蔵 20世紀美術の巨匠たち♡ ウォーホル、ロスコ、リキテンスタイン」/中之島香雪美術館

中之島香雪美術館にて、特別展「大原美術館所蔵 20世紀美術の巨匠たち♡」が開催中です。

本展は、大原美術館(岡山県倉敷市)所蔵の戦後アメリカ美術を軸に、20世紀美術をふりかえる特別展。
アンディ・ウォーホルやマーク・ロスコなどさまざまなアーティストの作品が、大阪に一堂に会す貴重な機会ともなっています。

20世紀美術とは?

ジャン・マルシャン《移住者》制作年不詳 大原美術館所蔵

二度の世界大戦を経験し、多くの人が住み慣れた土地を離れ、移住を余儀なくされた20世紀。

そうした時代背景の中で、ヨーロッパからアメリカへ渡ったアーティストたちは、抽象表現主義やポップアート、ミニマルアートなど新たな表現を開拓しました。

彼らが生み出した作品は「20世紀美術」と呼ばれ、美術史に大きな影響を与えていきます。

ジャクソン・ポロック《プルー−白鯨》1943年頃 大原美術館所蔵

本展の魅力は、戦後のアメリカ美術を中心に、多種多様な「20世紀美術」が展示されているという点。
香雪美術館所蔵の重要文化財「薬師如来立像」も特別展示されています。

重要文化財《薬師如来立像》平安時代9世紀 香雪美術館所蔵

「何が描かれているのかわからない」とよく言われている20世紀美術。

アーティストたちが異邦の地で感じた孤独や疎外感、自分とは何者か、美術とは何か、という大きな問いかけを展示作品から直接感じることができるのではないでしょうか。

茶室で異彩を放つ《青いヴィーナス》

イヴ・クライン《青いヴィーナス》1962年 大原美術館所蔵

本展で注目を集めるのは、イヴ・クラインの《青いヴィーナス》。

イヴ・クラインは、戦後のアメリカやヨーロッパで生まれる美術作品を意識しながら、独自の表現を確立していったアーティストのひとりです。

1952年には柔道の修行で1年間日本に滞在し、欧米人初の黒帯4段を取得するなど、日本に縁のある人物でもあります。

吸い込まれるような青さが茶室という空間でより一層異彩を放つ

アーティストとして活動し始めたイヴ・クラインは、自らが研究開発した青い顔料によるモノクローム絵画を発表し、一躍脚光を浴びることになります。

その後、この青を「インターナショナル・クライン・ブルー」と名付け、特許も取得しました。

撮影:スフマート編集部(2023年7月11日)

本作品が展示されている「中之島玄庵」は、国指定重要文化財「旧村山家住宅」(兵庫県神戸市)に建つ茶室「玄庵」を原寸大で再現したもの。

茶室という空間に置かれた「青いヴィーナス」から、独特な空気感を感じます。

会期中はイベントやオリジナルグッズ販売も

ミュージアムショップのようす

会期中には学芸員による「ギャラリートーク」が開催されるほか、3月25日〜4月1日の期間は「こども無料DAY」と題して、小学生から大学生までは入館料が無料となります。

春休み期間を利用して、家族や友達同士で訪れるのもおすすめです。

各イベントの詳しい情報は、中之島香雪美術館公式サイトをご確認ください。

アクリルキーホールダー 各770円(税込)

透明しおり(文庫本サイズ) 各880円(税込)

展覧会オリジナルグッズとしては、「アクリルキーホールダー」と「透明しおり(文庫本サイズ)」を販売。

ほかにもトートバッグやポストカード、スケッチブックなど、たくさんのグッズが並んでいます。

「20世紀美術」が大阪に集結

本展開催について、中之島香雪美術館の蓑豊(みのゆたか)館長は次のように内覧会で話しました。

2024年9月に館長に就任して以降、どうすればより多くの方に楽しんでいただける美術館になるかと考え続けてきました。

本展は、単なる名品展ではなく、20世紀美術館の本質に迫った特別展です。多くの方に足を運んでいただきたいという思いとともに、みなさんの感性を刺激するような場となればと思います。

中之島香雪美術館 蓑豊館長

本展は、ふだん大原美術館でしか観ることのできない20世紀美術を、大阪で楽しむことができる貴重な機会ともなっています。

そして、中之島香雪美術館は大阪の都心部に位置し、駅からのアクセスもしやすい美術館です。

都心の中で美術に触れる時間、どうぞごゆっくりとお楽しみください。