塩田千春の作品から他者との「つながり」を考える。圧巻のインスタレーションに注目
2024年10月3日
吹きガラス 妙なるかたち、技の妙/サントリー美術館
古今東西、古代から現代までさまざまな吹きガラスを紹介する展覧会が、サントリー美術館にて開催中です。
吹きガラスは、ドロドロに溶けた熱いガラスに息を吹き込むことで器を作る技のことです。
手で触れることのなく、ガラスの状態を見定めながら熱いうちに形をととのえる技法で、魅力的な形の吹きガラスが沢山あります。
本展では、吹きガラスによって生み出された魅力的な作品を紹介。
サントリー美術館ではこれまでさまざまなガラスに関する展覧会が開催されてきましたが、この展覧会では、ぜひ吹きガラスの〈技〉に注目してみてください。
多様な形を生み出すことができる吹きガラスですが、皆さんはいつからこの技法があったかご存知でしょうか?
実は、吹きガラスは紀元前にローマ帝国下の東地中海沿岸域で始まったと言われているのだそうです!熱いガラスを溶かして形づくるなんて、誰が思いついたのでしょうか・・・。
第Ⅰ章では、ローマ時代に作られた吹きガラス作品を展示。
型を使ったシャープな形や、やわらかい造形など。
また、当時は限られた道具で作っていたことから、作品のいたるところに制作にかかわる痕跡も見ることができます。
展示は古代から始まり、中世ヨーロッパの吹きガラス表現に続きます。
イタリア・ヴェネチアで作られた魔法のような吹きガラスにうっとり。
東アジアで作られた吹きガラスは、西地域のものに比べて装飾が少ないのですが、これは設備が十分でなかったからだそう。
制約のある環境で生まれた吹きガラスは、素朴ではあるものの繊細で儚げな印象があります。
そして近代日本の吹きガラス展示にも注目。
明治時代以降、日本で作られたバリエーション豊かな氷コップ(かき氷入れ)はカラフルで見ているだけで楽しい!
また、現在でも手吹きによる生産を続けている企業の製品も紹介。吹きガラスのこれからについても考えられるような展示構成となっています。
本展で展示されている吹きガラス作品のほとんどが、実用性を伴う工芸品ですが、第Ⅴ章では、現代アートとしての吹きガラスもあわせて紹介。
「熱く溶けたガラスを吹いて膨らませる」吹きガラスでは当たり前のことですが、これを活かした新しい造形表現があるとのこと。展示では、若手作家4名の作品を紹介。
「これがガラス?」展示を見るときっと感じるはず。
吹きガラスの多様さ、そしてこれからの未来について紐解く本展。
古代から現代まで、その魅力と創意工夫をぜひ発見してみてください。
※作品保護のため、会期中展示替えを行います。
※会期に変更の場合があります。最新情報は美術館公式サイトをご確認ください。