
ハプスブルク家/10分でわかるアート
2024年12月18日
PARALLEL MODE : オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き/パナソニック汐留美術館
(左から)神秘的な対話 1892年 岐阜県美術館/神秘的な対話 1896年 岐阜県美術館/神秘の語らい 制作年不詳 石橋財団アーティゾン美術館
パナソニック汐留美術館にて、近代美術の巨匠オディロン・ルドン(1840-1916)の画業を紹介する展覧会が開催中です。
本展は、世界屈指のルドン・コレクションを誇る岐阜県美術館の所蔵品を中心に、国内外の選りすぐりの作品を加えた約110点を展示。
パステル画や油彩画、木版画、版画からルドンが独自に表現を築き上げていく姿を紹介します。
オディロン・ルドンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍した画家です。
「ルドン」と聞いて思い浮かべるのは、黒を基調とした幻想的な作品ではないでしょうか。
(左から)『ゴヤ頌』Ⅱ.沼の花、悲しげな人間の顔 1885年/『夜』Ⅲ.堕天使はその時黒い翼を開いた 1886年/蜘蛛 1887年 いずれも、岐阜県美術館
ルドンが生まれた1840年は、クロード・モネやオーギュスト・ルノワールなどといった、印象派の中核メンバーの出自と重なります。
ルドンは、モネたち印象派の画家が避けようとした「黒」という色彩に、あえて積極的な価値を求めていました。
本展では、1870年以降に描かれた木炭画、石板画を展示。
ルドンが画家として歩み始めた時期を丁寧に紹介します。
1890年代以降、ルドンは黒から色彩画家へと変貌を遂げます。
肖像画や花の絵、神話画、装飾画などを手がけ、より理解しやすい主題をパステルや油彩で色彩豊かに描きました。
眼をとじて 1890年頃 個人蔵(フジカワ画廊協力)
《眼をとじて》は、黒の作品で展開していた創造的な世界を色彩で表現した、もっとも早い作例として重要な作品です。
本展では、同じ画題のリトグラフ作品も2点出品されます。
並べてみることで、黒と色彩を行き来しながら、新たな境地を切り開こうとしたルドンの足跡を辿ることができます。
(正面)窓 1906年頃 岐阜県美術館
ルドンの晩年の主要な画題のひとつである「ステンドグラス」を描いた《窓》を、東京で初めて公開します。
ルドンは黒の時代から窓より外の光が差し込む情景をイメージの源として描いていました。
《窓》では、黒の作品にみられていた光と影の表現が、色彩を用いて探求されているようすを観ることができます。
本作は、黒の時代と色彩の時代をつなぐ重要な作品です。
ぜひ、会場でじっくりとご覧ください。
黒から色彩へ。
ルドンの画業の全貌を紹介する展覧会「PARALLEL MODE : オディロン・ルドン―光の夢、影の輝き」。
黒の時代の作品しか知らなかった方には、ルドンってこんなに明るい作品が描けるんだ!と、知るきっかけになる展覧会です。
(左から)野の花の花瓶 1900-05年頃 (公財)田口福寿会/花 1902年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
特に、ルドンが描いた花の絵は、観ているだけで心が癒されます。
また、併設のミュージアムショップでは、岐阜県美術館の「オディロン・ルドン展」で人気を集めた《蜘蛛》をモチーフにしたグッズが販売中です。
写真は《蜘蛛》のストラップ。こちらのブローチも販売されていますよ。
岐阜県美術館といぶき福祉会がコラボして制作された《蜘蛛》のストラップとブローチ。
手作りならではの温かみがありますよ。表情も微妙に違うのもまた良きです。
会場出口は、フォトスポットになっています。
こちらで撮影して、展覧会の感想をSNSで発信してみてはいかがでしょうか。
5月18日(日)の国際博物館の日は、先着200名にポストカードをプレゼント。
ただし、土・日・祝日は日時指定予約制を導入しています。
詳しくは、パナソニック汐留美術館公式サイトをご確認ください。
本展のチケットを「5組10名様(有効期限付き:~6月6日(金))」にプレゼント!
〆切は2025年5月6日まで。
※当選は発送をもって代えさせていただきます。