これから開催

「戦後80年 《明日の神話》 次世代につなぐ 原爆×芸術」展

岡本太郎《明日の神話》1968年、川崎市岡本太郎美術館蔵

原爆ドームを撮影する岡本太郎 1963年、広島

サンガー梨里(証言者:飯田國彦)《皆、どこに消えたの?》2021年、広島平和記念資料館蔵

冨安由真《影にのぞむ》2023年、作家蔵(原爆の図丸木美術館での展示風景-撮影:加藤健)

戦後80年を迎える今年、戦争や被爆の記憶を次世代につなげる展覧会を開催します。

本展開催のきっかけは、広島市立基町高等学校の生徒たちが描いた「原爆の絵」です。

広島の爆心地に程近い基町高校では、創造表現コースの生徒たちが被爆者から半年以上の時間をかけて話を聞きとり、その記憶を「次世代と描く原爆の絵」として描く活動を20年近く続けています。現代の高校生の手によって、被爆者が語る被爆の実体験が次世代へと受け渡されているのです。この「原爆の絵」、そして岡本太郎の作品に加え、同じように核の問題に取り組む、現代の第一線で活躍する作家たちの作品によって本展は構成されています。

岡本太郎は30歳のときに中国の戦線に送られ、戦地で過酷な日々を経験します。復員後は、戦火で全てを失いながらも猛然と活動を再開。社会にメッセージを投げかける作品を次々と発表しました。岡本が核をテーマに挑んだ代表作《明日の神話》は、広島と長崎に落とされた原爆やビキニ環礁での水爆実験を題材としています。核の惨禍を乗り越えてなお、明日に向かって生きる人間像が描き出されています。

現代のアーティストたちもまた、戦争や原爆の記憶を、過去の出来事とするのではなく、現代に生きる私たちの問題として次の世代に向けた作品を制作しています。核の問題は、原水爆だけでなく原発事故など、現在の私たちの身近にも存在しています。戦争もまた、テロや侵略、報復という文脈で行われ、現在も様々な形をとりながら世界各地で続いています。本展では、80年前の戦争の記憶を起点として、現在の私たちを取り巻く様々な問題を題材に、独自の視点で表現する9組の作家の作品をご紹介します。
本展によって、戦争や被爆の記憶を次の世代につなげてゆくとともに、混迷を続ける世界で私たちはどのように生きるべきかを考えるきっかけとなれば幸いです。

Event Information

展覧会名
「戦後80年 《明日の神話》 次世代につなぐ 原爆×芸術」展
開催期間
2025年7月19日~10月19日
開館時間
09:30~17:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日
月曜日 (7月21日、8月11日、9月15日、10月13日を除く)、7月22日(火)、8月12日(火)、9月16日(火)、9月24日(水)、10月15日(水)
入館料

1,000(800)円、高・大学生・65歳以上800(640)円
※( )内は20名以上の団体料金
※中学生以下は無料

公式サイト
https://www.taromuseum.jp
お問い合わせ

044-900-9898

Venue Information

会場
川崎市岡本太郎美術館
主催
川崎市岡本太郎美術館