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2025年9月29日
新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展/大阪中之島美術館
2025年10月4日(土)から、大阪中之島美術館にて「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」が開催中です。
大阪・関西万博の100年前に開かれた「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」、通称「アール・デコ博」をテーマに、当時の女性像とそのデザインの変遷を辿ります。
ポスターにジュエリー、ドレスに香水瓶。アール・デコが放つ不変の魅力に酔いしれてみては。
「新時代のヴィーナス!アール・デコ100年展」展示風景
大阪・関西万博からちょうど100年前の1925年。
フランス・パリで行われた「現代装飾美術・産業美術国際博覧会」は、ファッション・デザイン史の中でも非常に重要な博覧会です。
表紙デザイン:ロベール・ボンフィス《現代装飾美術産業美術国際博覧会(アール・デコ博覧会)公式総合カタログ》1925年 箱根ラリック美術館
1900年以降のフランスの雰囲気を集大成した幾何学図形や直線的なデザインは、のちに「アール・デコ」という名前で世界に浸透。
博覧会そのものも通称「アール・デコ博」と呼ばれるようになりました。
ルネ・ラリック《香水瓶、パウダーボックス《ダリア》》1931年 ポーラ美術館
「アール・デコ」についてより理解を深められたい方には、追加料金700円で利用できる音声ガイドの使用がおすすめです。
元宝塚歌劇団・望海風斗さんの案内とともに、アール・デコの世界により深く没入することができますよ。
本展では、アール・デコ期の女性をモチーフとしたポスターが実に100点以上展示されています。
ジョルジュ・バルビエ《リヨネル》1917年 サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)
20世紀は女性たちがドレスやコルセットから解放され、カジュアルな衣服が一気に広まった時代。
アール・デコ期に活躍したデザイナー・イラストレーターのジョルジュ・バルビエの、優美さとエロティックさを併せ持つ華やかな作品は、現代の街にあっても目に留まる美しさです。
軽やかに風にたなびくワンピースの流線形が、女性の持つ柔らかさを克明に描いています。
アール・デコ博を機に日本にもアール・デコが浸透しましたが、実は当時のアール・デコもまた、日本をはじめとした東洋の文化を積極的に取り入れています。
それをよく表しているのが、アール・デコ博に実際にパビリオンを出展していたジュエリーブランド「ブシュロン」の貴重なジュエリー。
ブシュロン《矢または羽のかたちのブローチ》1924年 ©Boucheron Private Collection
アール・デコでは、白と黒のモノクローム配色が多く採用されました。黒い部分にはオニキスが使用されることが多かったようですが、中には日本の漆が採用されたものも。
アール・デコは異文化に寛容で、常にトレンドに合わせ変容していたことが伺えます。
ルネ・ラリック《香水瓶《ヴェール・ル・ルージュ》(夜明け前に)》ヴォルト社 1926年 箱根ラリック美術館
アール・デコを語る上で外せない人物、ルネ・ラリック。彼は1900年のパリ万国博覧会にてグランプリを受賞した工芸家で、ジュエリー作家からガラス工芸家へと転身したという、一風変わった経歴の持ち主です。
アール・デコ博ではガラス部門の統括責任者として、噴水塔のデザインを手掛けました。その噴水はなんと高さ15メートル、ガラスの女神像を128体も並べていたというのだから驚きです。
豪華絢爛な噴水は、大阪・関西万博の大屋根リングのようにアール・デコ博を象徴する建物だったことでしょう。
ピエール・ルイ《シトロエン》1924年 サントリーポスターコレクション(大阪中之島美術館寄託)
衣服の大量生産が時代とともに浸透すると同時に、この時代は女性の社会進出もめざましいものでした。
フランスの自動車ブランド・シトロエンは、ポスターに女性を描きました。このころから女性が自動車に乗ることが当たり前になりつつあったと現代に教えてくれる貴重な資料です。
乗り物が変われば、ファッションも目まぐるしく変わります。ドレスやコルセットが当たり前だった時代が終わり、ミニスカートや大ぶりなバングル、空いた首元にネックレスをつけることが流行しました。
《2枚の切り札、ヴィオレ社》1920年 サントリーポスターコレクション(中之島美術館寄託)
化粧品会社のポスターは、まさに当時の流行を映し出す鏡です。アーチ状の眉毛にショートヘア、大ぶりなイヤリングはパリの女性の定番ファッションでした。
右のハートにはリップスティック、左にはフェイスパウダーのコンパクトが描かれています。音声ガイドによる当時のメイク事情トークは必聴です。
ポスターはもちろん、工芸品にドレスなどあらゆるプロダクトからアール・デコと女性の関わりを振り返った本展は、アール・デコの世界が好きな方はもちろんのこと、大阪・関西万博ロスに嘆く方にもおすすめできる展覧会です。
展覧会のあとは、ミュージアムショップも要チェック。
神戸の老舗パティスリー「アンテノール」とのコラボ商品や、展示品をモチーフにしたここだけの限定Tシャツなど、見逃せない商品が目白押しです。