オランダ×千葉 撮る、物語る/千葉県立美術館

オランダ出身の新進気鋭の写真家、日本初の写真展【千葉県立美術館】

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2025年12月16日

オランダ出身の新進気鋭の写真家、日本初の写真展【千葉県立美術館】

千葉県立美術館にて、「オランダ×千葉 撮る、物語るーサラ・ファン・ライ&ダヴィット・ファン・デル・レーウ×清水裕貴」が、2026年1月18日(日)まで開催中です。

本展はオランダ出身の新進気鋭の若手写真家、サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウの作品を日本で初めて紹介する展覧会です。

千葉県立美術館初の写真展である本展。

千葉にまつわる写真の歴史にも注目し、千葉を拠点に活動する写真家・小説家である清水裕貴のアプローチを通して、千葉ゆかりの古写真のコレクション(松戸市戸定歴史館)や、千葉県立美術館の絵画コレクションも紹介します。

千葉とオランダの関係性とは?

千葉とオランダの交流は、佐倉藩が長崎と並んで蘭学の先進地だった幕末期に始まります。以降、千葉県はオランダ王国との交流を大切にしてきました。

近年では千葉県が東京2020オリンピックで、オランダのホストタウンになったことをきっかけに、2023年度より国際交流事業を開始。

千葉県立美術館でも、オランダとの文化交流の一環として「テオ・ヤンセン展」(2023年10月27日~2024年1月21日)を開催しました。

学術やスポーツだけでなく、芸術の分野でも、オランダとのつながりを考えている千葉県。

「テオ・ヤンセン展」に続き、オランダの新進気鋭の写真家であるサラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウの作品を日本で初めて紹介します。

オランダの新進気鋭の写真家
日本で初公開!

(左から)ダヴィット・ファン・デル・レーウ/サラ・ファン・ライ

サラ・ファン・ライとダヴィット・ファン・デル・レーウはパートナーで、ユニットあるいは個人で活動をしています。

反射や影を効果的に使用し、輪郭を曖昧にした夢幻的な風景(眺め)を映し出す独自の写真技法により、近年、大きな注目を集める写真家です。

本展では、コロナ禍のロックダウン中に制作された〈Still Life(静物)〉と、同様にコロナ禍のニューヨークで撮影された〈Metropolitan Melancholia(メトロポリタン・メランコリア)〉の2つのシリーズを展示します。

日常を切り取っているのに、どこか映画のような風景。

2人が「絵を描くように」カメラで捉えた、時に抽象的ともいえるイメージの中に見え隠れする断片は、どこかノスタルジックな物語の余韻を呼び起こします。

言葉と写真によるインスタレーションも

写真と小説のふたつの表現主題を行き来する清水裕貴。

ある土地の歴史や伝承を入念にリサーチし、歴史を紐解きながら、写真と言葉で架空の物語世界を紡ぎあげるという独自の創作スタイルを持っています。

清水が紡ぎあげた物語の舞台は、水戸藩第11代藩主徳川昭武が後半生を過ごした、松戸の戸定邸(とじょうてい)です。

稀代の記録マニアであったという徳川昭武は、この地で1300枚以上の写真を撮影したといいます。
写真の他にも旅の記録や日誌などの資料を残しました。

清水は、それらの資料を読み込み、昭武の足跡を明らかにしようとする「学芸員K」との出会いから、戸定邸や周辺田園風景、稲毛の海へと昭武のまなざしを辿っていきます。

本展では、会場を4つのセクションで構成し、言葉と写真による時空を超えた壮大なインスタレーションで紹介します。

建築家・大髙正人による空間でアートを楽しむ

千葉県立美術館は、1960年頃から展開されたメタボリズム建築運動の建築家のひとりである大髙正人の設計により竣工しました。

「新陳代謝」を意味するメタボリズム。
千葉県立美術館は、展示棟が最初に竣工した後、県民アトリエ棟、第8展示室や収蔵庫などが増築され、まさにメタボリズムの理念を体現する貴重な建築です。

展示棟は、建築家 大髙正人による初期の美術館の秀作として、国の登録有形文化財(建造物)に登録されています。

展覧会とあわせて、美術館の空間も楽しんでみては?

Exhibition Information

展覧会名
オランダ×千葉 撮る、物語る
開催期間
2025年11月15日~2026年1月18日
会場
千葉県立美術館
公式サイト
https://www.chiba-muse.or.jp/ART/exhibition/events/event-8482/