国内初展示や限定グッズも!ファン・ゴッホの夢を繋いだ「家族」の物語【愛知県美術館】
2026年1月21日
お姫様の装い Elegance of a Princess/大妻女子大学博物館

大妻女子大学博物館にて、「お姫様の装い Elegance of a Princess」が開催中です。
本展で展示されるドレスは、大妻女子大学の学生が卒業制作として発表した「復元ドレス」です。
鍋島家伝来のドレスを復元したコレクションとあわせて展示します。
復元ドレスが製作された1970年代頃、日本でヨーロッパのドレスを見る機会は大変少ないものでした。
当時、被服学科の教授だった石井とめ子氏は、時代ごとのドレスの特徴や時代背景だけでなく、縫製技術についての研究もしていました。
そんな中、イギリスの服飾研究者であるジャネット・アーノルドが出版した、ドレスのパターンブックを手に入れます。
これを参考にし、18世紀のロココスタイルから19世紀のバッスルスタイルといった、バラエティに富んだ復元ドレスが製作されました。

ロココならではの豪華さ、横にふくらんだスカートが目を引くドレス。
この時代は、三角形の胸当て、ローブ、ペティコートによって構成された「ローブ・ア・ラ・フランセーズ」が流行しました。

エンパイア・スタイルは、フランス革命後に流行したゆったりしたデザインが特徴。
ナポレオン妃・ジョゼフィーヌが好んだことから、この名前がつきました。

大きく広がったスカートが特徴的なクリノリン・スタイルは、1840~60年代にかけて流行。
それまで、スカートを膨らませるためにペティコートを何枚にも重ねて着用していた女性たち。針金や鯨のひげなどを使用したアンダースカートが開発されたことで、このスタイルが流行しました。

後ろ腰が膨らんだバスル・スタイル。日本では「鹿鳴館スタイル」とも呼ばれていました。
このヒップ部分は、時代によって控えめになったり大きくなったりしたそうです。
生地もヨーロッパから良質なものを輸入し、細かな装飾も学生によって一つひとつ復元されたという渾身のドレスは必見ですよ。
本展のもうひとつの見どころは佐賀鍋島家の復元ドレスです。
もともと、佐賀鍋島家より明治時代のドレスの調査・修復を依頼されたことで、このプロジェクトは始まりました。
ただ、明治時代のドレスはとっても繊細。加えてドレスの構造の複雑さなどもあり、石井教授はまずこのドレスを「完全に」復元してから、当時のドレスの修復を始めることにしたそうです。

コレクションの中でもひときわ目立つこちらのドレスは、江戸時代の小袖をバスル・スタイルに仕立て直したものです。
じゃあこの復元の布はどこから入手したのか?・・・なんと京都の工房に依頼し、生地から再現したのだそう!
復元されたドレスを着ていたのは、鍋島侯爵夫人だった、栄子夫人です。パーティーでもひときわ目立つであろうこのドレスを着こなしていたのだから、驚きますよね。

伊藤博文首相官邸で開催された仮装パーティーのために仕立てられたドレス。
仮装テーマは「19世紀フランス人の仮装」だったそうで、栄子夫人のドレスは18世紀後半に登場した「ローブ・ア・ラ・ポロネーズ」を模しています。
ドレスの花柄は、オーガンジーに刺繍をしたものを、サテン地に縫い付けています。
当時、明治政府は洋装化を進めていましたが、なかなか欧化政策は上手くいきませんでした。
そんな時代の中、京都のお姫様であった栄子夫人はドレスを着こなし、「鹿鳴館時代」のホストとして活躍するなど、近代日本に貢献したのです。
ドレスにかかせない、扇やバッグも展示されています。

ヨーロッパ女性の装身具のなかでも必需品だった扇。TPOによって開き方や持ち方が変わる、レディの魅力を引き立てるアイテムでした。
繊細なつくりは、是非間近で見てほしいです。

18世紀半ばから登場した小さなバッグも。当時の女性は、化粧品、香水瓶、扇、ハンカチ、財布などを入れていたそうです。現代とあまり変わらないかもしれませんね。
ボタン、刺繍、レース編みなどすべてが手作業だった当時。一着のドレスを仕立てるだけで、どれだけの費用がかかるのだろうと想像してしまいます。
美しいドレスたちにうっとりするのはもちろん、これを作った学生の技術にも驚く展覧会でした。
