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クロード・モネの世界にひたる。日本初公開作品を含む〈睡蓮〉などを堪能【国立西洋美術館】
2024年11月1日
「イトウ先生と美術のさしすせそ」は、最近アートが好きになった編集者のミワちゃんが、イトウハジメ先生に美術について質問したり、ああでもないこうでもないと話したりする不定期連載です。
今日もミワちゃんは美術のことに興味津々。イトウ先生、絵の構図のこと、教えてください!
イトウハジメ。中学の美術講師の日常を、繊細なイラストで投稿したInstagramが大人気に。現在は大学で教壇に立ちながら、美術教育に関する研究をしています。
最新刊『美術学生イトウの微熱』/イースト・プレス その他著書『イトウ先生の世界一わかりやすい美術の授業』/光文社 『イトウ先生、授業の時間です。』『放課後のオレンジ』/KADOKAWA 『美術学生イトウの青春』『僕と小さな怪獣』/イースト・プレスなど。
人間の目は、どうやら「取捨選択」をしているらしいのです。
何かに視線が吸い寄せられる、見たくないものから目を反らす、見ているようで見ていない、見えないはずなのに見てしまう・・・。感覚機能のなかでも、視覚の不思議は群をぬいています。
その人間の目をとらえて視線を操る力が、卓越した画家たちがもつ魔法のひとつです。絵の場合、画面の切り取り方やものの配置をこの「構図」と呼ぶイメージがありますが、実は色彩や対象のかたち・・・といった細かな仕掛けもこれに含まれます。
たとえばカラヴァッジョによる《聖マタイの召命》は、構図の魔法がかけられた絵の代表。イエス・キリストの指先から、戸惑う人びと、イエスの召命にまだ気がつかないマタイ・・・。誘われるままに視線を動かすと、この一枚の絵に含まれたメッセージにたどり着きます。
「構図」と聞くと、やっぱりポール・セザンヌが思い浮かびます。とにかく構図を追求したセザンヌ。画面の中にある、リンゴやゆがんだテーブル、バサッと置かれた布などのモチーフすべてが、絶妙なバランスで描かれているんですよね。
絵画に限らず、マンガやイラストでも構図は重要な要素だと思います。
どんな作品も思わず見てしまう部分に・・・作家の伝えたいことがつまっていそうです。
次はイトウ先生とどんな話をしようかな? 次回をお楽しみに!