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ハローキティ誕生50周年!「キティとわたし」を紐解く展覧会
2024年11月21日
「イトウ先生と美術のさしすせそ」は、最近アートが好きになった編集者のミワちゃんが、イトウハジメ先生に美術について質問したり、ああでもないこうでもないと話したりする不定期連載です。
好奇心旺盛なミワちゃんが、イトウ先生に聞いてみた「トラウマな作品」・・・そんな絵があるんでしょうか? 教えて、イトウ先生!
イトウハジメ。中学の美術講師の日常を、繊細なイラストで投稿したInstagramが大人気に。現在は大学で教壇に立ちながら、美術教育に関する研究をしています。
最新刊『美術学生イトウの微熱』/イースト・プレス その他著書『イトウ先生の世界一わかりやすい美術の授業』/光文社 『イトウ先生、授業の時間です。』『放課後のオレンジ』/KADOKAWA 『美術学生イトウの青春』『僕と小さな怪獣』/イースト・プレスなど。
オディロン・ルドン(1840-1916)という画家は、「印象派」の中に数えられる場合もありますが、その枠におさまらない強烈な個性を持っています。
彼の作品で有名なのはこの《キュクロープス》。※キュクロプスとも。諸説あり 「トラウマ」なんてご紹介してしまいましたが、よく見るとこの一つ目の巨人は優しい目をしています。この黒い目が見つめる先には、裸のまま眠る海の妖精(ニンフ)ガラティアがいます。
ルドンの作品で注目していただきたいのが、その色彩の鮮やかさと深さ。
《ペイルルバードの小径》はミステリアスな青に吸い込まれそうです。一度見たらなんだか頭から離れない、それがルドンの底知れない魅力なのだと思います。
シュルレアリスムの先駆けにもなったルドン。イトウ先生には胸騒ぎが起きているようですが(笑)、この独特な世界観は一度見たら忘れられないですよね。
怖い怖いと言いながら、心がざわざわするものに魅力を感じてしまうのは何故なのでしょうか。
ルドンと聞くと、奇妙な怪物や巨人を描いたものや「私の黒(ノワール)」と呼ばれた作品群などを想像することが多いかもしれませんが、晩年には色彩豊かで穏やかな作品も残しています。
ちなみに、日本では岐阜県美術館が世界的なルドン・コレクションを持っていることで有名です。ルドンデビューしたい方は、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
次はイトウ先生とどんな話をしようかな? 次回をお楽しみに!
【参考文献】
島田 紀夫【監修】『すぐわかる 画家別 印象派絵画の見かた』東京美術 2007年