イトウ先生と美術のさしすせそ/日本美術の魅力とは(第5回)

2022年8月9日

日本美術の魅力を知らないなんて! 今日もイトウ先生が編集者ミワちゃんにアートについて教えてくれます!

イトウ先生と美術のさしすせそ」は、最近アートが好きになった編集者のミワちゃんが、イトウハジメ先生に美術について質問したり、ああでもないこうでもないと話したりする不定期連載です。

ミワちゃんに好きな画家を聞いてみると・・・日本人画家がいない!?イトウ先生、有名な日本人画家を教えてください!

イトウ先生って?

イトウハジメ。中学の美術講師の日常を、繊細なイラストで投稿したInstagramが大人気に。現在は大学で教壇に立ちながら、美術教育に関する研究をしています。

『美術学生イトウの足跡』(2022年9月刊行予定)『美術学生イトウの微熱』/イースト・プレス その他著書『イトウ先生の世界一わかりやすい美術の授業』/光文社 『イトウ先生、授業の時間です。』『放課後のオレンジ』/KADOKAWA 『美術学生イトウの青春』『僕と小さな怪獣』/イースト・プレスなど。

本編

イトウ先生より

ずばり「美術!」と言えば、かの『モナ・リザ』やピカソの個性あふれる絵画を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。加えて、ヨーロッパの宗教画や風俗画をはじめ、油彩でしっかり描き込まれた絵・・・これを「正統派」ととらえがちなのでは?

その反面、日本美術はちょっと敷居が高いというか、いろんな意味で距離が遠く、「難しそう・・・」と感じる方が多いようです。でも、それもそのはず。「美術」という言葉自体が実は西洋圏由来のもの(ドイツ語Kunstgewerbeの訳と言われています)。

つまり「日本美術」という概念は、わりと新しく出来上がったものなのです。

編集者ミワちゃんより

難しいように感じて、なんだか身近に感じづらい「日本美術」。

海外からの注目を集めていることもあり、あの大波を描いた葛飾北斎や、琳派の天才伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)なら知ってる!という方も増えてきたかもしれません。

とっつきにくいのは画家の画数が多いのも一因かもしれませんが(笑)、実はよく見てみるととっても遊び心にあふれています。だって、私たちと同じ日本人が描いているんですから。

当時の暮らしや人びとが愛したもの、そしてとんちを利かせたような作品まで。日本美術を身近に感じてみてほしいです。

 

次回も日本美術について、イトウ先生から教えてもらいますよ。お楽しみに!

 

【参考文献】
北澤憲昭『眼の神殿──「美術」受容史ノート』2020年 筑摩書房

イトウ先生と美術のさしすせそ/日本美術の魅力とは①

イトウ先生と美術のさしすせそ/日本美術の魅力とは②