イトウ先生と美術のさしすせそ/絵の世界は〇〇が大事!(第3回)

2022年3月23日

絵の世界で大事な「構図」のこと。今日もイトウ先生が、編集者ミワちゃんにアートについて教えてくれます!

イトウ先生と美術のさしすせそ」は、最近アートが好きになった編集者のミワちゃんが、イトウハジメ先生に美術について質問したり、ああでもないこうでもないと話したりする不定期連載です。

今日もミワちゃんは美術のことに興味津々。イトウ先生、絵の構図のこと、教えてください!

イトウ先生って?

イトウハジメ。中学の美術講師の日常を、繊細なイラストで投稿したInstagramが大人気に。現在は大学で教壇に立ちながら、美術教育に関する研究をしています。

最新刊『美術学生イトウの微熱』/イースト・プレス その他著書『イトウ先生の世界一わかりやすい美術の授業』/光文社 『イトウ先生、授業の時間です。』『放課後のオレンジ』/KADOKAWA 『美術学生イトウの青春』『僕と小さな怪獣』/イースト・プレスなど。

本編

イトウ先生より

人間の目は、どうやら「取捨選択」をしているらしいのです。

何かに視線が吸い寄せられる、見たくないものから目を反らす、見ているようで見ていない、見えないはずなのに見てしまう・・・。感覚機能のなかでも、視覚の不思議は群をぬいています。

その人間の目をとらえて視線を操る力が、卓越した画家たちがもつ魔法のひとつです。絵の場合、画面の切り取り方やものの配置をこの「構図」と呼ぶイメージがありますが、実は色彩や対象のかたち・・・といった細かな仕掛けもこれに含まれます。

たとえばカラヴァッジョによる《聖マタイの召命》は、構図の魔法がかけられた絵の代表。イエス・キリストの指先から、戸惑う人びと、イエスの召命にまだ気がつかないマタイ・・・。誘われるままに視線を動かすと、この一枚の絵に含まれたメッセージにたどり着きます。

編集者ミワちゃんより

「構図」と聞くと、やっぱりポール・セザンヌが思い浮かびます。とにかく構図を追求したセザンヌ。画面の中にある、リンゴやゆがんだテーブル、バサッと置かれた布などのモチーフすべてが、絶妙なバランスで描かれているんですよね。

絵画に限らず、マンガやイラストでも構図は重要な要素だと思います。

どんな作品も思わず見てしまう部分に・・・作家の伝えたいことがつまっていそうです。

 

次はイトウ先生とどんな話をしようかな? 次回をお楽しみに!

絵の世界は〇〇が大事!①

絵の世界は〇〇が大事!②